センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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47話 圧殺。


 47話 圧殺。

「ぐぅううっ!」

 顔面に閃拳を叩き込まれたウムルは、
 鼻血をまき散らしながらのけぞる。

 ゾメガの閃拳一発で沈むことなどありえないので、
 ウムルは、すぐさま、体勢を立て直し、

「……そ、それは、閃拳じゃないな!」

 と、まるで、敬虔なセンエース教の教徒みたいなことをほざく。
 ゾメガは、ニっと笑って、

「――『師と殺し合った経験がある』というのが事実であるならば、貴様の言葉には、それなりの価値がある。しかし、『だから、なんだ?』という以外の感想は持ち合わせておらんな」

 そう言いながら、
 ゾメガは、フィジカルに込める魔力量を増やしていく。

 より強く、より速くなっていく。
 オルゴレアム・オーバーロードに変身することで、
 かなりのパワーアップを果たしたが、
 肉弾戦の戦闘力においては、ウムルの方が格上なので、
 普通に切り返されていく。

(うぅむ……このウムルとかいう化け物……本当に強いのう……こっちのパワーアップに合わせて、動きの質を変えてきよった……なんとなく気づいておったが、さっきまでは、完全に手を抜いておったらしい……オルゴレアム・オーバーロードのパワーアップに、戦闘力上昇率が入っていないのが口惜しい)

 オルゴレアム・オーバーロードによって、
 火力等の数値は上昇したが、
 戦闘力という点においては全く変わっていない。

 天下の面々のデバフが通りやすくなっているし、
 九華の面々の遠距離攻撃の火力も上がっているし、
 ゾメガと平熱マンの圧力も増して、
 DPSは、爆裂に上昇したのだが、

 戦闘力の差が埋まっていないので、
 楽勝をもぎとることは不可能だった。

(楽勝ではないが……しかし、これならば、押しきれる……余の方が……ゼノリカの方が強いっ)

 強引に押し切っていくゼノリカの面々。
 膨れ上がった力で、グイグイとウムルを押し込んでいく。

「ぐぅうう! くぬぅうう! この手数は、さすがに鬱陶しいな……」

 MPの一時的無限化に伴い、
 天下の面々は、ガス欠を畏れずに、
 バンバン、バンバン、強大な魔法を使えるようになった。

 神に届いていない者の視点だと『F魔法系』は、
 コスパが悪すぎるので、なかなか使えないのだが、
 オルゴレアム・オーバーロードが発動している間は、
 そんなことを気にする必要がない。
 ゆえに、

「カラミティアイ!」
「亜零神砲!!」
「デビルボックス!」
「亜零神砲!」
「ブルーインパルス!」
「マリオネットゲイザー!」
「俺がシャツって言ったらシャツなんだよ!」
「絶対プロテインやってるだろ!」
「亜零神砲!」
「ジャッジメントコール!」

 無駄にMP消費量が多すぎるクソネタ系のコスパ最悪F魔法であっても、
 バンバン投下していける。

 無数の搦め手で、ウムルの動きに制限をかけた上で、



「――閃光・平熱マン・スラッシュ――」



 平熱マンが、
 とどめの一撃をぶち込んでいく。

 ゾメガの無謀な特攻では、さほどダメージを与えられていなかった。
 というか、ゾメガの方が多大なダメージを受けていた。
 しかし、それでいい。
 ゾメガの目的は、盾役をしつつ、ダメージを稼ぐことだったから。


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