センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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45話 オーバーロード。


 45話 オーバーロード。

 希望にすがりつくだけではただの怠慢。

 だから、積んできた。
 100万年。
 本当はもっと積みたかったけれど、
 次のステージに進むだけなら十分なほど積んできた。

 その道程を糧にして、
 ゾメガは、『自分自身の最奥』へとアクセスする。

「余は……もう、届いている……」

 ゾメガは、グっと奥歯をかみしめて、

「余は……この上なく尊き英雄の弟子……不相応にも、偉大なる英雄に愛していただけた幸運なる者……」

 言葉が結集していく。
 言葉は覚悟となり、そして象(かたち)になる。

 全ての『昇華された覚悟』を背負ったゾメガは、
 その想いを込めて、
 ――叫ぶ。





「 プライマル!!
     プラチナァァ!!
          スペシャルッッ!!」





 可能性の向こう側に届く。
 どうしても破れなかった壁の向こう側。

 ゾメガ・オルゴレアムという個が、完成に一歩近づく。

 開眼したのは、究極の果てにあるスペシャル。


 ――『オルゴレアム・オーバーロード』――


 オルゴレアムのロギアネームを持つ者専用のプライマルプラチナスペシャル。

 その効果は……

 究極の変身『オルゴレアム・オーバーロード』にたどりつくことができる。





「――『オルゴレアム・オーバーロード』――」





 宣言すると、ゾメガの肉体が、メキメキと音をたてる。
 肉体が活性化しているのが見てとれた。
 若々しく、溌剌としていく。
 気付いた時、ゾメガの『美貌』は、
 アダムやシューリにも引けを取らないレベルになっていた。

 絶世の美青年になったゾメガは、
 ウムルに向かって、たんたんと、

「この変身中、余の指揮下にある『余より存在値が低い者』は、MPが無限になり、被ダメージは80%カット、状態異常付与率600%アップ、火力3000%アップする」

「暴露を積んだから、その効果は、さらに上昇した……といったところか?」

「……暴露を積んだことで、火力の上昇値が3050%になった」

「くく……微妙だな」

 ウムルは笑ってから、

「暴露の上昇値だけではなく、そもそものスペックが微妙と言わざるをえない。プライマルプラチナを冠するだけの価値はないな。そのバフ効果が、センエースにも適用されるのであれば、かなりの脅威だが、貴様より弱い雑魚が多少強くなったところで意味はない。目を見張るスペックアップは、顔面偏差値だけ。話にならんな」

「本当にそうか?」

「……」

「余より存在値が低い者の中には、余と平も含まれるのだぞ」

 ゾメガの指揮下にある『ゾメガ以下』の者全員が対象。
 ゾメガ自身も、ゾメガの指揮下にあると言える。
 存在値の上限が1000固定の現状では平も『ゾメガ以下』の中に入る。

 そこで、平が、世界に対して念押しするように、

「もちろん、ボクは、ゾメガさんの指揮下に入っていますよ。今、この瞬間だけの話ではなく、基本的に、ボクもミシャも、ゾメガさんの指揮下で動くことを、師から命じられていますからね。まあ、命じられていなくとも、指揮能力が最も高いのはゾメガさんなので、普通に任せると思いますけれど」

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