センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

9話 道は出来た。


 9話 道は出来た。

「本来の正史なら、お前にも、それなりに活躍したり、人間性を魅せつけたり、と、色々出番があったんだが、残念ながら、今回のルートにおいて、お前は、ただ死ぬだけだ。残念だったな」

 そう言い捨ててから、
 ナイアは、リライトの首を刈った。

 コンマ数秒。
 認識すら出来ない速度。
 鮮やかに、完璧に、ナイアはリライトを終わらせた。

 断末魔を上げる余裕すらなく途切れた意識。
 その場にバタリと倒れるリライトの体。

 ナイアは、リライトの首と、テラの首に魔力を込めていく。
 すると、二つの首がパァと、光った。
 その光が収束した時、
 ナイアの両手には二つのカギが収まっていた。

「クツグアのカギと、ハスターのカギ、回収完了。あとは、センエースが手に入れてくるであろうクトゥルフのカギがあれば……時空の門は開く」

 そう言いながら、ナイアは、入手した二つのカギを、
 先ほど送り出した『アルテマ・ウムルの中心』に仕込んでおく。

(これで、センがアルテマ・ウムルを殺せば、センの手の中に、鍵がそろう。あとは時空の門でラストバトルをかますだけ。センがプライマルコスモゾーンレリックを手に入れたあとで……俺も、プライマルコスモゾーンレリックを手にいれる)

 などと、ナイアが心の中でつぶやいていると、
 一連の光景を、ずっと見ていたロコが、
 ガチガチと震えながら、

「な……なにが……」

 そこらの子供と同じように、
 ただただ震えている。

「これ……夢……? そうだ……夢に決まっている……こ、こんなこと……あるわけ……」

 ブルブルと震えている彼女に、

「ちょっと、めざわりだから、今は黙ってようか」

 そう言いながら、
 彼女の首に綺麗なトーンをかましていく。

 見事な気絶劇。
 一瞬で意識を失って倒れこむロコをシカトして、
 ナイアは、ヤマトに目線を向ける。

「罪帝ヒミコ。お前の役目も、もう終わりだ。お前だけじゃなく、この世界が、もう不必要。もう、俺のためには何もしなくていい、あとは、勝手に生きてろ」

「……それって、もうロコの配下をしなくていいってことぉ?」

「それだけじゃない。ぜんぶ解任だ。何もかも全部」

「そういう言い方をされると、なんだか、ちょっと腹が立つかなぁ……そんな、壊れたオモチャを捨てるみたいな――」

「そいつはニュアンスが違うな。とことん遊び尽くしたオモチャから卒業する……それだけの話だ」

「言葉遊びでしかない気がするんだけどぉ?」

「お前の感情なんか知ったことか」

 最後にそう言い捨てると、
 ナイアは、

「俺には、これから、大仕事が待っている。センエースがPCレリックを入手したあとで、バンプティと合体して、俺自身もPCレリックに挑むという超々々大仕事がな。ここからは、そっちに全集中させてもらう。他のことはどうでもいい」

 そのまま、瞬間移動で、その場を離れた。
 ナイアが消えたあと、
 ヤマトは、しばらく、その場で呆けていた。

「……さて、どうしよっかなぁ……」

 何も理解できていないが、
 自分が、ナイアから捨てられた、
 ということだけは理解できているヤマト。

「ロコの相手をする必要がなくなって……ゲン・フォースも……もういないのと同じってことかなぁ? じゃあ、もう、本格的に、やることがなくなっちゃったなぁ……」

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