センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

104話 ツァールとイグが合体してツァーグってとこかな。


 104話 ツァールとイグが合体してツァーグってとこかな。

「……あの、ニャル様……一つ聞いていいですか?」

「もちろんさ。いつだって、好きなだけ質問するといい。答えるかどうかは気分しだいだけどね」

「……特殊カスタムがほどこされている現状のロイガー共でも、回数を重ねるごとに強くなるから、すげぇギリギリで……いつも、紙一重の戦闘を繰り広げているのですが……オメガバスティオン化とやらをした場合、現状よりも、はるかに強くなってしまうのでしょうか?」

「簡単にいうと、ヨグの分体より強いよ」

「……」

「カギを三つ集めるのは、本当に大変だと思うけど、まあ、頑張って」

「……マジでか……」

 あまりにひどすぎる難易度を前にして、
 心から辟易とした顔で天を仰ぐセン。



 ★



 翌日の夜、
 センは、

「……ま、一応……ためすか……」

 ビビりながらも、
 『真・難易度爆上げスイッチ』を押した状態で、
 ツァール&イグとの死闘に向かった。

 通常状態のイグを飛ばしたところで、
 覚醒状態のツァール&イグに変身。


(この強さは……普通の難易度爆上げスイッチで強化された状態……あれ、これ、まさか……)


 最悪の想像をしてしまい、
 冷や汗があふれ出るセン。

(この状態のこいつらも殺さないと、オメガバスティオン化してくれないってこと? おいおいおい、おいおいおい……)

 まず、普通の状態を殺す、
 覚醒状態を殺す。
 この手順を踏まないと、
 オメガバスティオン化された彼らには出会えない。

(覚醒状態を殺すだけでも、相当に体力を消耗するのに、その上で、ヨグの分体以上に強化されたこいつらを倒すって……いや、できるか? できるのかなぁ……いやぁ……)

 心の中で、そんなことをつぶやきつつ、
 必死に戦って、どうにか、
 覚醒ツァール&イグをぶっ飛ばしたセン。

 すると、
 覚醒ツァール&イグの死体が、
 また、グニャグニャと蠢いて、
 その魂魄が重なり合い、
 一つになり、
 蘇る。


「……ぷはぁ……」


 酸素を吸って、世界を見つめる。
 破格のスペックを誇る化け物。
 ツァーグ・オメガバスティオン。

「ツァールとイグが融合し、完全なる神になった姿……そう、私が、ツァーグ・オメガバスティオンだ」

「……こんにちは」

 しんどそうな顔で、不愉快そうに挨拶をぶちこんでいくセンに、
 ツァーグ・オメガバスティオンは、

「さあ、センエース。私を殺せるか?」

「……どうでしょうねぇ……」

 そう言いながら、
 センは全身の魔力とオーラを充満させて、

「……勝てないんじゃ……ないかなぁ……」

 ボソっとつぶやいた、その言葉の通り、
 センは、



(――あ、むりでーす)



 数回、武を交わしあっただけで理解した。
 相手になっていない。
 さすがに、強すぎる。

(戦闘力では、そこまで差があるとは思えないが……数値に差がありすぎて、相手にならねぇ……)

 すぐさま、センは、真・難易度爆上げスイッチをオフる。

 すると、
 ツァーグは、スゥっと世界に溶けていった。

 その様子を尻目に、

「……また、長い旅が始まりそうだ……はぁああああ……」

 深く、長い、タメ息を吐いた。


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