センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
57話 制限。
57話 制限。
「正直な話……というか、受信感覚的な話……その裏ボスが『田中トウシと合体したソンキー』以上だとは……正直、思えません。裏ボスは、ソンキー一人でも、どうにか立ち向かえるレベルの存在で、いずれは、ソンキーが、その化け物を乗り越える……というプロットだったので」
そこで、トコが、
「プロットのぉ……それが、プロットという名前の『抗えない運命』やった場合、ソンキーは、裏ボスを超える可能性を持ち、かつ、今はタナカトウシと合体して、強化された状態やから……まあ、普通に勝てるんとちゃう?」
「そうだといいのですが……」
その後も色々と、話し合った結果、
とりあえず、田中トウシには、
『リーダーをやってもらおう』という絶対的結論に至り、
かつ、
「もしかしたら、彼なら……トコさんの呪いを解くこともできるかもしれませんね……」
そんな希望を胸に抱きつつ、
その日は解散となった。
★
次の日の朝、
「……んあ?」
自室のベッドで目を覚ましたトウシは、
目玉だけを動かして、周囲を確認し、
「……夢……じゃ、ないよな……」
と、独り言をつぶやくと、
頭の中に、
(――俺が実在する。それが答えだ)
そんな声が響いた。
「ソンキー……」
昨夜のことを、
トウシは、しっかりと覚えている。
結局のところ、何がなんだかわかっていないが、
しかし、今の自分なら、ロイガーを殺せるということは、
完全に理解できているため、
「コレの力があれば……どんな神話生物がきても、どうとでもなるな……」
と、楽観的なことを口にしたトウシに、
ソンキーが、
(今の俺は、大きな『力の制限』を受けている。強力な覚醒技は不可能な現状。最上位級のアウターゴッドを相手にした場合、おくれを取る可能性が高い。ヨグ=ソトースやニャルラトホテプなんかには勝てないだろうな)
「……マジか……いや、まあ、普通、そういう最強邪神には、勝てんのが普通なんやけどな……」
召喚された瞬間に世界が終わる級の化け物と戦おうとしている時点で間違い。
「ただ、今のワシの現状を鑑みるに……その手の、最悪な邪神が召喚されんとも限らんのよなぁ……」
ぶつぶつと、未来を想うトウシ。
「……準備は、出来るだけしておいた方がええ……そうやないと、あっさり死んでしまう未来もありえてまう……」
そう結論を出すと、
「……ソンキー、お前、さっき、『自分の力は制限されとる』と言うとったけど、その制限を取っ払う方法はないんか?」
(見当もつかない、というのが現状だ。ハッキリ言うが、今の俺は、記憶もあいまいだ。黒木愛美が記した黒歴史ノートと、コスモゾーンに遺されていたログの一部があるから、どうにか、自分自身を、多少は理解しているが、お前の助けになる情報は持ち合わせていない。今の俺は、お前と一心同体だから、できれば、サポートしてやりたいとは思っているが、実際に良質な手助けができるかどうかは微妙だな。俺のことは、戦闘用のブースト程度に思っておいた方がいい。ちなみに言っておくが、俺は頭がよくない。考えるのが嫌いなんだ。ダルいからな)
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