センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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33話 エクストラボス。


 33話 エクストラボス。

「ソンキーの存在が、マジでそれだけのもんやったら、確かに、クソの役にも立たんやろう」

 そこで、トウシは、天を仰いで、

(……けど、そんなわけがない……ソンキーの名前は、間違いなく、ロギアネームとして登録されとるんやから)

 その事実は、あまりにも重たい。

(……この辺の『詳細』に関しては、まだ、ロギアネームの領域にアクセスできてないから、ほぼほぼ知らんけど、ロギアネーム化されとることだけは確か……ロギアネームは、コスモゾーンに認められた名前である証……たんなる小説のキャラが登録されるわけがない)

 そこで、トウシは、深く、深く、
 ソンキーについて考える。

(黒木の説明によると、ソンキーは、強大な力を持つ神……英雄としての側面を持ってはいるが、それは、あくまでも結果論であり、基本的には自己中心的で、強さに対する狂気的な渇望を持つ戦闘狂)

 黒木から教えてもらったソンキーのシルエットを頭の中で整理しつつ、

(ジャンプ漫画の主人公的な存在……聖人ではなく、武神……単純な『強さ』が認められて、ロギアネーム化されたとみるべき……ならば、その強さは、間違いなく全世界屈指の最高品質……)

 頭の中で整理していくと、
 だんだんと道がひらけてくる。

(その強さを具現化することができれば……あるいは、強大な神話生物にも勝てるやもしれん……)

 そんな未来を描く。
 だが、まだ、曖昧な未来。

(いったい、どうすれば、ソンキーを具現化できる……ここまでの情報から整理すると……まあ、ワシが『ソンキー・ウルギ・アース』の名前を背負うにふさわしいとコスモゾーンに認められれば……ソンキーの力が、ワシに顕現する……ロギアネームとはそういうもの……けど、何をすれば、ソンキーと認められるかは全く知らんのよなぁ……)

 黒木から教わった話を、
 一から十まで、頭の中で、エンドレスリピートする。

(なにか、ヒントはないか……なにか……)

 考えてみるが、
 なかなか答えにはたどり着けない。

 トウシは間違いなく天才なのだが、
 しかし、なんでもかんでも快刀乱麻の全知全能ではない。

(あかんな……今の情報だけでは、ブレイクスルーには届かん……)

 素直に、情報不足を認めたトウシは、
 黒木に強い視線を送って、

「もっと、他に、ソンキーに関する情報はないか?」

 そう問いかけられた黒木は、


「すでに、私が描いたソンキーに関する情報の大半は放出しました……」


 そこで、
 『けど』と、接続の言葉を使って、

「――ソンキーの物語は、実のところ、途中で書くのをやめてしまったのです……だから、これは、唯一の読者である茶柱ユウキですら知らないことなのですけど、ソンキーには、最大の敵がいました。ラスボスではなく、エクストラボス。いわゆる裏ボス的なポジションの最強の敵……」

「最強の敵ねぇ……まあ、バトル小説なら、そういうのは必須やな……で?」

「実は、その……ソンキー最大の敵である裏ボスの名前を……忘れてしまいまして」

 その言葉に、トウシは最大級の違和感を覚えた。

「……忘れる? ……自分が描いた作品のボスの名前を? それも、お前ほどの記憶力を持つ天才が?」

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