センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

55話 『センエース』VS『管理人』。


 55話 『センエース』VS『管理人』。

「管理人と少し話をして、深夜まで全滅エンドのタイミングを伸ばしたら、そのまま、とんぼ帰りで、学校に帰り、全員で、『銀の鍵』を捜索。夜になって、アイテムが沸くようになったら、そのままアイテムを探索し、リミットがきたら、銀の鍵で飛ぶ。以上だ。質問は受け付けない」

 強引に話をまとめると、
 センは、そのまま、オメガタワー内にあるエレベーターに乗り込む。
 オメガタワー内に、エレベーターは7つあるのだが、その中の、一番左端にあるエレベーターが、最上階の展望台へと直で向かうもの。

 迷わず、一直線で乗り込むセン。
 ガラス張りの窓から、『どんどん小さくなっていく街並み』を眺める。

 高いタワーの最上階を目指しているとはいえ、
 直で向かうので、そんなに時間はかからなかった。

 チーンと、音がして、センは、エレベーターを降りると、
 そのまま、最奥にある特別ルームへと足を運んだ。

 扉にカギはかかっていなかった。
 センは、ノックを一つはさんでから、
 部屋の中へと足を踏み入れる。


「はいはい……ん? 君は……あ、もしかして、時空ヶ丘の生徒さん?」


 問いかけられたセンは、
 部屋の主に対し、

「はい。時空ヶ丘学園の一年で、名前は閃と言います。よろしく、どうぞ」

「……聞いてる、聞いてる。確か、主体性遠足だよね? 僕、時空ヶ丘のOBだから、知っているよ。面倒だったなぁ、あの遠足。自分たちで、全部、決めないといけないんだよね。僕の班は、『我の強い女の子』が『4人』もいたから、全部、任せていたけどね。ははは」

 楽しそうに、昔を思い出して笑いながら、窓の外に視線を向ける。
 少しだけ、どこか遠くを見つめながら、

「いやぁ、なつかしいねぇ。遠足に行ったの、もう、何年前だろ。まだ、300億年は経っていないと思うけど……いや、もう、そのぐらいは経っているのかな? なんてね! はははっ。単位、おかしすぎだね。ははは」

 そんな、『管理人』の『どうでもいい冗談』を、

「あ、そうすね」

 と、軽く流してから、
 センは、ソっと軽めに頭を下げて、

「代表として、挨拶にきました。こんにちは」

「はい、こんにちは」

「じゃあ、そういうことで」

 そう言って、部屋を出ようとするセンを、
 この部屋の主であるオメガタワー管理人は、

「え、あれ? それだけ?」

「ええ、もちろん。それだけです」

「普通は、もうちょっと何か話すんじゃない?」

「かもしれませんね」

「かもじゃなくて、絶対だと思うよ」

 そう言いながら、管理人は、座っていた椅子から腰を上げて、
 センの方へと近づいてきて、

「せっかく、こうして挨拶にきてくれたことだし、ただで返すというのもなんだ。というわけで、なぞなぞを出すから、答えてくれ」

「……なぜ、なぞなぞ……」

「単なる趣味だよ。僕は、『映画の時のアガサ博士』みたいなポジションになりたいと切に願っている男だからね。嘘だけど」

 そう言いながら、管理人は、内ポケットから取り出した『小さいメモ用紙』を、センに手渡す。

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