センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

91話 どの美少女よりも完璧なボディを誇るオールドレディ。


 91話 どの美少女よりも完璧なボディを誇るオールドレディ。

「あなたは王なのです。常に、その自覚をもって行動していただかねば困ります」

「好きに困ればいい。いつだって、俺は俺を押し通す。それだけが俺のジャスティス」

「正義とは、相対的な空想。陛下にはふさわしくありません。陛下は、絶対的な王。陛下こそ、純粋な真理」

「……いや、純粋な真理ではないと思う。さすがに」

 普通に困惑して尻込みするセン。

 ゾーヤは、そこらのオールドレディとは格が違う。
 気の狂い方で言えば、
 K5に匹敵する化け物。

 破格の超越者がそろい踏みの300人委員会の中でも、
 最高格の発言力を持つ稀代の超人。

 ――と、そこで、トコが、
 ゾーヤに対し、ウザさ全開の目を向けて、


「というか、帰れや。あんた、いつまでおんねん!」


 と、K5全員が思っていた言葉を、ついに口にする。
 昨夜から、『センを正式に王にするための手続き』云々をほざき散らかしながら、この家に転がり込んできたゾーヤ。
 いまも、なお、パソコン作業はしているようだが、
 しかし、一段落はついているように思えたので、
 トコは、『ぶぶ漬け』を差し出しながら、丁重に、
 ゴーホームを提案してみせた――のだが、

「いつまでも何も、昨日から、私の住所はこの家よ。既に、特別永住者として認められているし、住民票もこの通り」

 見せられた書類を奪いとり、中身を確認するトコ。

「……うわ、このババァ、マジやん……イカれとるな……」

 ボソっとそうつぶやいたトコに、
 ゾーヤは、

「あなたたちだけには言われたくないわね。あと、実年齢と精神年齢は、確かに、あなたたちの数倍だけれど、肉体年齢でいえば、そこまで差はないわよ。というか、完全なる肉体を手に入れた私の方が、肌の艶も髪の質も上だけれどね。ふふん」

 と、上から目線で言い放つ。

「ハラ立つな、このババァ……殺したろか……」

 いらだちを隠そうともしないトコ。
 そんなトコと、優越感をむき出しにして対峙するゾーヤ。

「虚影を持つ私の方が、脆弱な携帯ドラゴンしか持たないあなたよりもはるかに上。私を殺したいと思うのは勝手だけれど、実行に移した場合、容赦なく返り討ちにするから、そのつもりで」

 ついでに殺気もむき出しにしていく。
 そんな彼女に、センが呆れ交じりに、

「いや、あの……トコたちを殺すのだけは、絶対にやめてくれる? いや、マジで」

「ご安心を、陛下。売り言葉に買い言葉で返しただけのこと。弱い者いじめは趣味ではございません。それに、あの根性なしの小娘に、私に立ち向かう度胸などありません」

 などと、センに平伏しつつも、辛辣な言葉でトコを煽っていくゾーヤ。

 ピキっているトコと、
 そんなトコをなだめている紅院。
 ゾーヤに煽られたトコをからかっていく茶柱。
 茶柱に殴り掛かるトコ。

 K5のじゃれあいに対して、
 ゾーヤは、冷めた目を向けるばかり。

 彼女たちに対し、現状のゾーヤは、
 『程度の低い小娘』という感想しか抱いていない。

 基本的にゾーヤは、他者に対して厳しい。
 自分にも厳しいが、他人にはもっと厳しい。
 そうやって、世界と向き合ってきた。

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