センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

83話 遅すぎて、逆にしんどい。


 83話 遅すぎて、逆にしんどい。

「あ、ああ……うっ……」

「ギなんとか。お前は間違いなく強かったよ。けど、やっぱり、俺の敵としては不足だな」

 そう言いながら、

「――奪い取れ」

 図虚空にギを食べさせるセン。

 何度かの咀嚼ののち、
 吐き出されたギは、デフォルメされた形状で、
 これまでの神話生物たち同様、自身の境遇を軽く嘆く。

 そんなギの意見など完全シカトのまま、
 センは、ギを装備する。

 その結果、

「さらに、一段階、パワーアップしたぜ、ひゃっほい。……つぅか、やっぱり、アウターゴッドは、質が違うな。追加で一体装備するだけでも、全体的に、ガッツリと底上げされる」

 視界が広がる。
 呼吸がしやすくなる。

 命の重みは増しているのに、体の方はグっと軽くなる。

「さて、それじゃあ、後処理をしていこうか」

 そうつぶやくと、
 センは、残りの二体に突撃を決め込んでいく。

 ヤイとザリガーの二体も、
 相当にエゲつない化け物だが、
 しかし、
 マイノグーラとギ=ホヴェルグという、
 二体のアウターゴッドを吸収&装備してしまったセンに勝てるはずがなく、

「ぐぼほぉぉっ!」
「げへぇえっ……っ!」

 あっさりとボコられる。
 もはや、手も足も出ない。

 どうあがいても勝てないと理解し、
 どうにか、センの魔の手から逃げようと頑張るザリガーに対し、

「俺に背中を見せていいことがあるとでも?」

 黒い笑みを浮かべて、
 ザリガーの後頭部にライダーキック。
 あまりの火力に、ザリガーの頭部は爆散した。

「てめぇの生命力なら、頭をつぶされたぐらいだと、まだ生きてるだろ?」

 などと、DQNなことを言いながら、
 図虚空に食べさせるセン。



「き、貴様ぁあああああ!」



 ギとザリガーの二人をやられ、
 怒りにかられたヤイの特攻を、
 センは、

「遅すぎて、逆にしんどいレベルだな」

 軽くあしらうように、
 サクっとカウンターでヤイの胸部に風穴を開ける。

「ぐ……ごほっ……」

「くらいつけ、図虚空」

 結局のところ、
 どちらも図虚空にペロリといかれた。

 もぐもぐと咀嚼。
 二体のアウターゴッドをアッサリと吸収。

 静かになった現場で独り、
 センは、感慨深そうな顔で、天を仰いで、

「……勝った……」

 ボソっと、そうつぶやいてから、
 スゥと、大きく息を吸って、



「しゃあ、おらぁああ! 勝ったぞ、ごらぁあ!」



 右手を天に掲げて勝利の雄叫びを上げるセン。

「俺、やべぇ! アウターゴッド三体に勝ったとか、やべぇ! もう、自分が怖ぇよ! どうなんってんだ! ひゃっはぁ!」

 勝利の余韻と安心感に狂気が混ざって妙なハイになっている。

 その勢いのまま、
 センは、ヤイとザリガーの二体も装備して、
 どのぐらいパワーアップできるかをチェックする。

 合計四体のアウターゴッドと、そのアウターゴッドの数値を強化できる無数のGOOを装備したセンの姿は、完全に化け物だった。


(すげぇ……とんでもない力だ……俺より強い化け物なんか、もう存在しないだろ……)


 などと、心の中でつぶやいていると、
 図虚空の中に潜むヨグシャドーが、テレパシーで、

(そうだな。貴様は随分と強くなった)

(ふふん。だろう? 『アウターゴッド×4の存在値』+『俺の戦闘力』……この状況は、もはや無敵。俺が望めば、敵は死ぬ。俺こそが最強。俺がガ〇ダムだ)

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