センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

5話 ここから先、必要となる覚悟。


 5話 ここから先、必要となる覚悟。

 次元の裂け目の先は、
 広い空間になっていた。


(……なんか……ラピッドに閉じ込められた空間に似ているなぁ……)


 などと、思っていると、
 視線の先で、
 ジオメトリが出現して、

 その奥から、

「ギギ……」

 奇妙な化け物が出現した。

「……おぉ、おぉ……かなり、強そうなGOOだな……些細な所作だけでもわかるぜ。てめぇ、S級の上位だろ」

 その化け物から感じる覇気は、間違いなく、
 『紅院たちでは手も足もでない神格』
 という、人類視点では非常に厄介な、
 クソカテゴリに属する上位のオーラだった。

「おそらく、お前は、非常に優秀なGOOなのだろう。GOOの中では、なかなか上位に入る本物。絶対に間違いなく強者であると確信できるオーラ。……だが、しかぁし! 今の俺の目には、ちょっと大きめの『ヤブ蚊』ぐらいにしか見えねぇな。『刺されたら鬱陶しいだろうなぁ』と軽く警戒心は沸くものの、『重たい恐怖』や『鋭い脅威』なんかは、いっさい感じねぇ」

 そう言いながら、
 センは、軽くジャンプをしながら、体軸のバランスを整えると、

「俺の前に立って『敵』を名乗るには、あまりに、役者が足りてねぇ。消えてろ」

 図虚空を召喚することなく、素手のまま、

「――閃拳――」

 頼りになる必殺技をお見舞いする。

 的確にGOOの中心をえぐりとる一発。
 鋭く、速く、強靭。

 単なる正拳突きだが、
 『人類』にとっては、核爆弾を霞ませるほどの、
 汎用性が高くて頼りになる最終兵器。

「ぐげぇ!!」

 簡素な断末魔が響き渡る。
 あっさりと死に絶えたS級GOO。

 その死体を見つめながら、
 センは、

「……第二アルファでのアレコレは、かなり鬱陶しい体験だったが……ガッツリと苦しんだ分、シッカリと強くなることができた。――オメガレベル100。オメガレベル6000を経験した今となっては、ぶっちゃけ、出力的に、だいぶ物足りないが……しかし、『0』だったころとは比べ物にならない。もはや、アウターゴッド以外なら、図虚空なしでも余裕でいけるな」

 ニっと快活な笑みを浮かべて、
 自身の成長を喜んでいると、

 S級GOOの死体が、
 パァアっと淡く輝いて、
 チップ状のアイテムに変化していく。

 そのドロップしたアイテムを確認してみると、

「……『オメガレベルが【10】上昇する。ご利用は計画的に』……ねぇ」

 これまでには見たことがないタイプのアイテムだった。

「今まで、散々、アイテム探索をしてきたが……オメガレベルに関するアイテムなんざ、一個もなかった……なのに、ここにきて、急に……これは、まあ、ようするに、『解禁されたから』と捉えるのが正解くさいな」

「おそらくそういうことでしょうね」

 と、後ろから、『チップをのぞきこんできた黒木』が合いの手をうつ。
 黒木は、続けて、

「オメガレベルは、上がりすぎると、自我を失い、『命の醜い部分』が前面に出てしまうんですよね? 上昇させて大丈夫ですか?」

 普通に心配してくる黒木に、センは、

「正直、上げたくはねぇよ。二度と、あんな自分を晒したくはない」

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