センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
21話 引けない理由。
21話 引けない理由。
「聞こえているか、スーパーセンエース。もしもし、スーパーセンエースさん、もしもーし!」
センのウザ絡みに対し、
スーパーセンエースは、心底鬱陶しそうな顔で、
「……うざぁ……」
ボソっと、ガチ声をこぼしてから、
「……俺、お前、嫌いだなぁ」
と、本音を爆発させると、
センも、ダルそうな顔で、
「奇遇だな。俺も、同じことを考えていたよ。何がどうとは言えんけど、お前は、そこはかとなく、顔がムカつく」
などと、お互いに、自己嫌悪を晒し合ってから、
「……」
「……」
いったん、間をはかるように、
お互い、無言で、空気を整える。
驚くほど静かになる世界。
――そこで、いったん、ギャグの時間はなりを潜める。
センは、
スーパーセンエースを睨みつけ、
「……お前、本当にすごいな、スーパーセンエース。正直、勝てる気がしねぇ……」
「まあ、お前に負ける気はしないが」
「……えげつない深み……神の王を名乗るだけのことはある、と素直に思える」
そこで、センは、スーパーセンエースをジックリと観察する。
見れば見るほど、整っている。
顔面の形状は、なんか腹立つが、しかし、オーラと佇まいだけは、
素直に、『命の最果てにある』と感じた。
「スーパーセンエース……あんたは、確かに、神の王だ。オーラが違う」
「まあな。『スーパーセンエース』って言葉はただのギャグだが、『神の王』って地位は、酔狂じゃ名乗れねぇ。それなりの覚悟と中身がねぇと、ここまでの大見栄は、なかなか切れねぇ」
「あんたはすごく強い。俺にはわかる」
そう、前を置いてから、
センは、
「けど……ソレを、理解しているからこそ、ここでは、引けない。ひいてはいけないと、俺の全部が叫んでいる」
結論を口にした。
ゆるぎないと分かる覚悟。
「正直、シッポをまいて逃げ出したいが、けど、それは許されない。俺は、あんたと、正面きって対峙しなければいけない……」
そう言って、センは武を構えた。
その様子を見て、スーパーセンエースは、
「しなければいけない……か。特殊な『感性』と『言い回し』だな。ちなみに、なぜ、そう思う?」
純粋な疑問を投げかけてきた。
センは、頭を悩ませる。
何を言おうか迷ったのではなく、
どういうべきかを悩んでいる顔。
数秒を思案に費やしてから、
おずおずと、
「ここで引いたら、俺は、一生、あんたを夢見るだけに終わる気がするから。明確な理屈がどうこうのお話じゃない。単純な感覚の話。けど、俺は、基本、感覚派だから、感覚こそ、もっとも大事にしないといけない。時には、理論をシカトして、感覚と感情にオール別途すべき。それが俺の考え方だ。……自分で言っておいてなんだが、アホの考え方だな。失敗するヤツのダメ思考に思えてならない。俺、ほんと、頭悪いな。勘弁してほしい」
センのマシンガン自虐に対し、
スーパーセンエースは、
「……」
まっすぐな視線を向け続ける。
まるで、センの深淵を覗いているよう。
深淵をのぞく時、
深淵もまた、自分をのぞいている。
コメント
閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中
「うっ、頭が」要素満載の現状w
この辺の「本当の答え」が、真に明かされる日は、
まだまだ遠そうです(*^-^*)
『天』
クトゥルフ・オメガバスティオン...
スーパーセンエース...
うっ、頭が(デジャブ)