センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
77話 ウチの子が一番。
77話 ウチの子が一番。
「――俺には遠く及ばない。それは事実だが、しかし……強いな、アクバート。お前は俺が今までに見てきたどの化け物よりも強い」
そんなセンの発言に対し、
アクバートは、真摯な表情で応える。
「貴様も素晴らしい強さだ。まさか、この私がかすり傷一つおわせること叶わぬとは 本当におそれいる」
「だろ? 俺は最強だからな」
『最強』という単語に、
アクバートは、ピクっと反応をしめし、
「最強という言葉がふさわしいのは私の息子だけだ」
無駄に『頑なな態度』で、強い言葉を口にする。
むき出しの表情。
視野が狭くなっている顔つき。
そんなアクバートに、
センは、渋い顔で、
「ほう……お前、親バカか。キショいな」
「親バカ? 違うな。ただの事実だ。うちの子が1番強く、1番賢く、おまけに1番男前。それがこの世界の事実。ただ、それだけの話」
「やっぱりただの親バカじゃねぇか」
などと会話していると、
そこで、
センは、
「……っ」
背後に、二人分の気配を感じて、
チラっと視線を向けてみた。
すると、そこには、
アクバートに匹敵する存在感を放つ、
『ハードボイルドなナイスミドル』と
『野性味あふれるムキムキのオッサン』の二名が立っていた。
そんな二人の『驚異的な圧力』に対し、
センは、ニィと微笑みながら、
「……聞くまでもなさそうだが、一応、聞いておこうか。お前らも、ゼノリカの天上か?」
そんなセンの質問に対し、
ナイスミドルの方が、
「栄えあるゼノリカの天上、九華十傑の第十席、序列5位、アストロギア・ハザード」
続けて、野獣の方が、
「栄えあるゼノリカの天上、九華十傑の第十席、序列14位、カンツ・ソーヨーシ」
と、端的な自己紹介を済ませる。
余計な言葉はいらない。
その名乗りだけで、
彼らのほぼすべてが理解できる。
「1位と、5位と、14位か……順位にだいぶ開きがあるが、しかし……」
そこで、センは、チラと、『カンツ(14位)』に視線を向ける。
「……この三人の中だと、お前が一番、ヤバそうだな……」
「がはは! 性根は腐っていそうだが、しかし、見る目だけは確かだな! お察しの通り、この中で、一番厄介なのはワシだろう!」
その発言に対し、
隣にいるアストロギアが、
けだるげに首の骨を、パキパキと鳴らしながら、
「……『武の質』だけで順位をつけるのであれば、アクバートの方が上だけどねぇ。ただ、どっちと戦いたくないかと言えば、まあ、カンツの方が上かな。カンツの『ギャグ漫画補正』はウザすぎる」
アストロギアの発言に対し、
センの耳がピクっと動く。
「え、なに? あんた、ギャグ漫画補正がかかってんの? すごいな」
その問いに、アクバートが、
「カンツのプラチナスペシャル『ギャグ漫画補正』は、きわめてふざけた名称だが、そのスペックに『笑える要素』は微塵もない。『ほぼ無敵』という、ただただ凶悪すぎるタンク特質」
続けて、アクバートは、
「アストロギアは陰陽師。バフ・デバフ・追撃・回復と、自由自在なオールラウンダー。サポート役として、とにかく万能。『格上』との闘いでこそ真の力を発揮する後衛タイプ」
と、ペラペラ、家族自慢に華を咲かせる。
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