センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

51話 理性の理解。


 51話 理性の理解。

 オメガ火ゴブリンの両手の中で、グググっと、『バスケットボール』サイズの、まあまあデカい『火の球』が出来上がる。

 それを、オメガ火ゴブリンは、ドッジボールの要領で、
 容赦なく、センに向かって投げつける。

「あらよっとぉっ!!」

 投げつけられた『火の球』を、軽やかに緊急回避するセン。
 オメガ火ゴブリンの『火の球』は、高火力だが、
 『投擲(とうてき)速度』と『タメ時間』の精度が低いため、
 集中していれば、避けることは可能。

(タメ時間がもう少し短かったら、瞬間移動とのコンボで『不可避』を決め込まれて、だいぶヤバかったかもしれないが……この程度の攻撃なら、集中力を切らさない限り、永遠に避け続けられる……)

 あたれば死にそうな攻撃だが、
 当たらなければどうということはない。

 闘いが長引くにつれて、
 センの体力とメンタルは削られていくものの、
 しかし、『オメガ火ゴブリンとの闘い方』の『要領』が掴めてきたため、

「……オメガ火ゴブリン……てめぇは確かに『強い』が、しかし、本当に、『それだけ』だ。それじゃあ、俺は殺せねぇ……」

 闘いのさなか、センは、ボソっと、

「お前の攻撃は強いが、重くねぇ……いや、もちろん、物理的な意味での『重量感』は普通に感じるが……しかし、芯の部分が軽い……そんな気がする。知らんけどな」

 オメガ火ゴブリンに、センの言葉を理解する能力は備わっていない。
 そんなことは、センも、ある程度、理解できている。

 だから、これは、オメガ火ゴブリンに向けての言葉ではない。
 現状の言動は『セン自身が、オメガレベルを理解しようとしている』――という、それだけの話。

「強いだけで軽い――それじゃダメだと、ハッキリわかる……おかげで、少しだけ、俺がこの先『追い求めるべきもの』が理解できた気がする……」

 自分を磨くにしても、何を中心に求めていくべきなのか、
 その辺を正しく理解しておかなければ、いびつに壊れて腐るだけ。

「貴重な経験だった。礼を言うぜ、オメガ火ゴブリン」

 そう言いながら、
 センは、限界まで集中力を底上げし、

「――逆気閃拳――」

 相手の気を逆流させる一撃を放つ。
 完璧なタイミングで、敵の中枢をかき乱す。
 その結果、

「ギャギャギャッ!!」

 オメガ火ゴブリンは、自身のオーラのねじれによって、

「……ギャッ……」

 あっさりと、命を失った。
 それなりの死闘だったが、
 最後は非常にあっけないものだった。


「……ふぅ……」


 オメガ火ゴブリンの死を見届けた直後、
 センは、脱力し、その場に尻もちをつく。

「……はい……勝ちぃ……」

 かなり疲れた表情で、勝利宣言をするセンに、
 オメガシャドーは、軽く拍手をしつつ、

「お見事。さすが『究極超神の序列一位』を名乗るだけのことはある」

「お前さぁ……俺が『一度も言っていないこと』を、さも『常に言っているかのよう』にのたまうの、やめてくれない? 『へのつっぱり』も『究極なんたら』ってセリフも、俺は、一度も口にしたことがないんだわ」


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コメント

  • 閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

    ――47話目のコメントに書けなかったので、こちらに。

    天さん、
    閃という漢字を見るだけで涙目になるほど、
    この作品を好きになってくださって、本当に感謝!!

    中二病は、センもかかっているん病気なので、
    わるいものではないかとw
    ……いや、センのレベルまでいくと、問題ある気がするw

    センエース最高とまで言っていただき、本当に感謝!!!

    0
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