『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

15話 おそれながらも、前に進む勇気。


 15話 おそれながらも、前に進む勇気。

「奇妙な反応をキャッチしました……これは……なんでしょうか……『ダンジョンの反応』……だとは思うのですが……少し違うような……」

 夜の時空ヶ丘には、宝箱だけではなく、
 『野生のダンジョン』が出現することもある。

 中では、ちょっとしたワナや、面倒なガーディアンが待ち構えており、
 『クリア』を果たすと、『レアアイテム』を獲得できる可能性を得られる。

 絶対にレアが出るわけではないというのがミソ。

 中には、『殺意の波動に目覚めた超高難度ダンジョン』もあるのだが、
 高難度のダンジョンをクリアしたからといって、
 間違いなくレア度の高いアイテムを入手できるというわけではない。

 もちろん、レアの入手度は難易度に応じて高くなっているが絶対ではないのだ。


「……奇妙……」


 これまでのループの中で、
 センは、何度かダンジョンをクリアしている。
 その中には、エグい難易度のダンジョンもいくつかあったのだが、
 しかし、どれほどの高難度であったとしても、
 黒木は、一度も『奇妙』とは口にしなかった。

(……引っかかるな……)

 ひたいに軽く冷や汗が浮かぶ。

(……『ニャルとの出会い』を果たした直後に、『それまでとは違う流れ』の発生……これは、なにかしらのイベントスイッチがONになったとみて間違いはないだろう……)

 長考に入るセン。

(時間が『無駄に過ぎていくだけ』の『閉塞状態』よりは、『何かしら』が起こってくれた方がいい……とは思うが、しかし、『アウターゴッドとの戦闘』的なイベントが起きた場合は大問題……俺の実力は、まだ、アウターゴッドをどうにか出来る領域にない。……当たり前だが、最も避けるべきは『ゲームオーバー』。……不遜でも自惚れでもなく、事実として、俺が死んだら世界は終わる。アウターゴッドが、今の俺を置き去りにしていると理解できた今……これまでとは違い、それなりに慎重性を持ってコトにあたるべき……)

 センの行動スタイルは、基本的に、
 『ガンガンいこうぜ』ではなく、
 『とりまレベルを上げてから考えようぜ』である。

 つまりは、根が慎重派。
 ある程度強くなってからは、基本の行動方針が、
 『ガンガンいってもいいかもね』ぐらいにはなるのだが、
 『シーンを進めるには、レベルが足りていない』、
 と理解できている時のセンは、
 ガッツリとした慎重派に落ち着くのである。

(……慎重に進めるのは確定事項。……それは間違いない……が……)

 とはいえ、

(無駄にビビって足踏みしていたら、いつまでたっても先には進めない……)

 それもまた事実。
 停滞は重荷。

 まるで将棋のように、攻めと守りのバランスでもだえ苦しむセン。

(どっちが正解……進むべきか、退くべきか……)

 答えなどわからない。
 一寸先は闇の交差点。

 ――さんざん悩んだセンは、
 結局のところ、

「……黒木……その『奇妙な反応』があったところまで……案内してくれ……」

 前に進むことを選択する。

 その選択が正しかったかどうかは、誰にも分らない。


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