『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

95話 舞うのかなぁ? かなぁ?

 95話 舞うのかなぁ? かなぁ?

「田畑さんが緊張? いや、あんたはそんなんせぇへんやろ?」

「薬宮様、わたくしも、所詮はただの女……プラチナスペシャルのウルトラロイヤルをご予約された天上人のコンシェルジュを任されたとなれば緊張の一つや二つ……」

「あ、ところで、プラチナのウルトラは、さすがに、あたしらでも利用したことない……というか、存在すら知らんかったんやけど……ナンボぐらいするコースなん?」

「当サロンのプラチナウルトラは、お金で買える時間ではございません。『オーナーの許し』が唯一の利用条件であり、これまで、その条件をクリアした者は存在しません」

 そう言いながら、
 田畑さんは、チラと、
 センに視線を向けて、


(……なるほど……確かに、異質……一見、ただの『どこにでもいる性根の悪そうな高校生』……しかし、その目の奥には、はかりしれない深みを感じ……なくもない)


 『何がどう』とは言えないが、
 しかし、人間観察力に自信を持つ田畑さんは、
 センに対して、そんな感想を抱いた。

 ――正直な話、『プラチナウルトラの利用権を得た少年』というフィルターがあるから、そのように感じてしまっただけで、町ですれ違っただけならば、センに対して、それだけの深みは感じないだろう。

 田畑さんが、ただ者でないのは事実だが、
 しかし、さすがに、一目でセンを見抜くことは難しい。

(オーナーからのオーダーは『天元突破』……これ以上ない究極のミッション……必ずや、完璧にこなしてみせる……)

 ――田畑さんは、決意をあらたにすると、
 センに対して、完璧な接客スマイルをぶちかましつつ、

「何かご要望があれば、遠慮なさらずに仰ってください」

 そう言って、深く頭を下げた。

 そんな田畑さんを横目に、
 センは、

「遠慮せず、キャンセルを要求したりしたら……舞うのかなぁ……」

 天を仰ぎながら、ボソっとそうつぶやいた。

「は? 申し訳ございません、聞き取れませんでした。まことに失礼ながら、どうか、もう一度、おっしゃっていただけますでしょうか?」

 そのオーダーに対し、
 センは、数秒だけ、悩んでから、

「……よろしく……おねがいします……」

 力なく、軽く頭を下げながら、そう言った。

「おまかせください、閃様。本日は、当店が誇る一流スタッフの中でも、えりすぐりのスペシャリストを用意しております」

「……そうですか」

「さあ、どうぞ、こちらへ」


 ★


 一流の玄関、一流のお出迎え、一流の受付。
 すべてが、正確に完璧だった。

 無駄に派手だったり、目が痛くなるほどギラギラだったりなど、
 そういう『下品な無粋さ』とは無縁の、
 きわめて雅(みやび)な雰囲気。

 壁にはシミ一つない。
 廊下にはホコリの一つも落ちちゃいない。
 とにかく優雅で快適で完璧な空間。

 『リラクゼーション』という概念と、
 『とことん、正面から向き合っている』と実感できる。

(無駄に金をバラまいているのではなく、ちゃんと金をかけているって感じだな……)

 だから、これだけ『金で磨き抜かれた空間』にいながら、
 『下品さ』は微塵も感じなかった。


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