『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

86話 華麗なるハッピーエンド。

 86話 華麗なるハッピーエンド。

 ――次の周で、
 センは、必要なフラグをキッチリと踏破して、
 格闘技大会の日まで舞い戻る。

 文章にすれば三行だが、
 実際のところ、センは、同じだけの時間と労力を積んでいる。

 肉体的な損傷は、ループのたびに減っているが、
 精神的な摩耗は、ループのたびに吐くほど増している。

 疲れ切った目で、深いタメ息をつきながら、
 センは、大会に参加する。

 一回戦の相手は、名も知らない『親衛隊所属の誰かさん』だった。
 『彼』も、一応は柔道の黒帯を持っているらしく、
 普通に『まあまあ強かった』のだが、
 センに勝つのは流石に不可能。

 そんなことは、もちろん、わかり切っている話。
 ここでの問題は、『センの勝ち方』でしかない。

(偶然を装う……俺が強いのではなく、たまたま、相手が自滅したように……)

 色々と演算しながら、
 『偶然の勝利』を演出しようと頑張ってみるセン。

 一回戦、二回戦までは、
 注目度も低かったので、
 なんとか、ギリギリ、ごまかせていたが、
 しかし、三回戦で、優勝候補の一人である『佐田倉』とあたってしまい、
 『偶然』を通すことが、難しくなった。

 センも必死に頑張って、
 どうにか『たまたま勝ったんですよぉ』という雰囲気を出してはみたものの、
 『佐田倉に勝利したという事実』のパンチ力の前では無意味に等しく、

 『超新星あらわる』
 『ミステリアスダークホース』

 という、『セン的にはクソ以下の称号』を強制付与され、
 四回戦では、バキバキの注目を集めてしまい、
 『どんな勝ち方をしようが、もう無駄』という空気感が出来上がってしまった。

「閃くーん、がんばってー」

 と、これまでの学校生活で、
 『一度も顔を合わせたことがないはずの女子生徒』から、
 非常になれなれしい『黄色い声援』を受けるまでに至ったセンくん。

(……きっつい、きっつい……)

 ――心の中でそうつぶやきつつ、
 センは最後の最後まで折れることなく、根気強く、
 『偶然』を装い続けたが、しかし、

 当たり前のように『優勝』してしまったため、

 観客的にはもはや、
 『勝ち方』など、どうでもよく、
 『あの、閃壱番ってやつ、すげぇ!』
 という熱気だけが、学園中を包み込んでいった。


 ――たった一日、もっといえば、ほんの数時間で、
 一気に、『学園最強の有名人』という地位にまで成り上がったセン。

 女子高生ぐらいの年頃だと、
 『純粋に強い』というステータスに惹かれる者も多く、
 当たり前のように、突如、モテモテになるセン。

 おまけに、センは、『ただ強いだけ』ではなく、
 超一流企業への逆指名権まで有している超優良物件。

 正直、見た目は、黒髪短髪中肉中背と凡庸で、
 かつ、どこか陰気くさく、目つきが悪く、愛想にかけるので、
 ルックス偏差値は『甘く見積もっても55が精々』なのだが、
 しかし、その『目つきの悪さ』が『逆にいい』、
 という特殊な趣味を持つ者もちらほら見られ、
 結果的に、
 数百単位の女子高生から好意を向けられるようになったセン!

 やったね、センちゃん!
 望めば、いくらでも彼女が出来そうだよ!


 ――こうして、センの永い闘いは幕を閉じた。
 めでたし、めでたし。



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