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『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

53話 そして、次のステージへ。


 53話 そして、次のステージへ。

「どうかしたんか? 顔色が悪いようやけど」

 心配そうな顔をしている薬宮に、

「集中させろ。10分ほど、声をかけるな……」

 鋭い目つきでそう言われて、
 薬宮は黙るしかなかった。

 その鬼気迫る雰囲気に、
 さすがの茶柱も何も言えない。

 ピリピリとした空気に包まれている校長室。

 1分……
 3分……

 と、重苦しい時間が流れる。

(同時に狙われた場合……全員は守れねぇ……一人が精々、最高でも二人が限界……)

 頭の中で、『非情な計算』を行うセン。

(回復魔法はあまりにも有用。ゆえに、もしもの時は、黒木と茶柱、この二人を守る……)

 奥歯をかみしめながら、
 守る相手と、見捨てる相手を選別する。

 即決したからといって、決して簡単な決断ではなかった。
 脳の奥がズシリと重くなっている。
 鋭角なストレスが肝臓に突き刺さる。
 胃がシクシクと泣いている。
 吐き気と頭痛にみまわれて、
 軽く死にたくなる。

 ――その間にも、時間はこくこくと過ぎていく。


 5分……
 7分……


 そこで、センは、スっと立ち上がる。
 美少女たちは、センが動いたことに対し、ビクっと反応をしめした。

「動くな。ジっとしていろ」

 そう命令を出して、
 センは、黒木と茶柱の近くを陣取る。

(さあ……くるなら来い……)

 ピンと空気が張り詰める。
 センの空気感に飲まれ、
 女性陣も息を呑む。


 10分……
 11分……


(……まだか……もうそろそろだと思うが……)


 15分……
 20分……
 30分……

 さすがに、その辺が緊張感の限界で、
 薬宮が、

「……10分は……20分前に過ぎたんやけど……まだ喋ったらアカンのやろか?」

 と質問を投げかけた。

 センは、ゆっくりと、周囲を確認しながら、


「……はぁ……」


 深いため息をつきながら、ソファーに深く腰掛ける。

(だよな……殺したもんな……教室にもいねぇし……蓮手は死んだ……人類は……救われ――)

 『ホっとした』のと、ほぼ同時だった。

 遠くの教室から、

 パァーンッッ!!

 と、銃声が響いた。





 ★





 ――連絡ミスだった。
 具体的な詳細は不明。
 紅院正義は、間違いなく作戦中止の命令を出したが、
 しかし、なぜか、一部のルートだけ、
 途中で、命令が曖昧になっていた。

 必死になって、原因を究明しようとしたが、結局のところ、原因不明。

 学校側は、
 『今週いっぱい臨時休校とする』ことを、その日の内に発表。
 主体性遠足も延期になるということだった。

 今回の事故は、驚くほど迅速に処理が進められ、
 夕方になるころには、
 『今週の臨時休校の代わりに、夏休みのいつがつぶれるか』、
 というスケジュール表が刷り上がった。


 学校は、一時的に、完全閉鎖され、
 夜中も、複数人の警察が周囲を見回ることとなった。



 ★



 ――その日の夜、
 センは、自室で、窓の外を眺めながら、



(俺のせいっちゃ……俺のせいか……100%じゃないが……確実に、俺が『原因の一端』ではある……根本の原因は、300人委員会のクソどもだが……あのクソどもに、『ガキ殺し作戦の決行』を決断させた『原因』は俺だ……)

 『自分のせいで反町が死んだ』とは思っていない。
 センは、そんな風に、自分を責めるタイプではない。

 だが、こういう問題に直面したさい、
 『自分には関係ない話だ』と『目をそらす』ことも、
 また出来なかったりする。



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