『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

47話 あとはわかるな?

 47話 あとはわかるな?

 ――キッチリ一時間後、
 『黒木愛美』は、例の喫茶店のドアを開けた。

 喫茶店に入り、
 センの顔を見ると、
 黒木は、

「……あなたは確か……閃さん……ですよね?」

「さすがだな、優等生。クラスメイトの名前を憶えているなんて、偉いぞ」

「……バカにしています?」

「いや、本音だ。おそらく、K5の中で、俺の名前を憶えているのは、お前だけだと思う」

「あー……まあ、そうですねぇ……あの人たちは……憶えていないかも……」

 他人が『誰の名前を憶えているか』など、わかるはずもないので、
 当然、断定はできないわけだが、
 しかし、黒木は、心の中で、
 『確かに、私以外は、モブメイトのことなど憶えていないだろう』
 と、ほとんど確信に近い精度の言葉をつぶやく。

「最初に、うかがいたいのですが、カズナさんとは、どういうご関係で?」

「一緒に地獄を経験した仲だ」

「……よくわかりませんね」

 言いながら、トイメンの席につく黒木。

 それとほぼ同時に、奥からマスターが出てきて、
 黒木の前にコーヒーを置いた。

「すいません、ありがとうございます」

 頭を下げる黒木に、
 会釈を一つはさんで、奥へと消えるマスター。

 黒木は、一口すすってから、

「……それで? 私になんの用ですか?」

 その質問に対し、
 センは、

「図虚空、こい」

 彼女の目の前で、右手にナイフを召喚するという行為で応えた。

 その様を目の当たりにした黒木の瞳孔が、ググっと開いた。

「……なるほど」

 そうつぶやきつつ、
 コーヒーで間をおいてから、

「……あなたがノゾ=キマですか」

「その名前は忘れてくれ。お前に対しては使う意味がない」

「……どういう意味ですか?」

「お前に嫌われたいとは思っていないって話さ。この言い方だと誤解をまねく恐れもあるから、あえて、こう言い換えておこうか。――『お前の感情は、俺的に、どうでもいい』――」

「んー……ちょっとよくわからないのですが、私は、今、ディスられているのですか?」

「いや、褒めているわけでも、ディスっているわけでもない。至極、フラット。……つか、この辺は、詳しく説明しようとすると、長くなるから、気にするな」

「……まあ、かまいませんが」

「余計な話は抜きにして、一つだけ頼みを聞いてくれ」

「……どういう頼みかにもよりますが」



「ボクと契約してダウジングマシンになってよ」



「……はい?」

「ま、ものすごーく簡単に言うと、俺は、ご存じの通り、S級GOOを殺せるくらい強いんだが、携帯ドラゴンとは契約できない。ただ、時空ヶ丘に沸くアイテムは欲しい。前提として、携帯ドラゴンがないとアイテムはサーチできない。……あとはわかるな?」

「……だから、あなた専用のダウジングマシンになれ……と?」

「さすがの理解力だ、黒木。やはり天才か」

「……一つ聞きたいのですが、携帯ドラゴンもないのに、あなたは、なぜ、そんなに強いのですか?」

「ふ……仕方がないな、特別に教えてやろう」

 センは、ニヒルに微笑んでから、
 キメ顔で、

「……俺も知らん!」

 ハッキリとそう言い切った。

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