センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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40話 どちら様ですかにゃ?

 40話 どちら様ですかにゃ?

「……なぜ、あそこまで……」

 と、不快感を口にするカズナに、
 センは、たんたんと、

「趣味だよ。俺は、美少女に『白い目』で見られることに対して『格別の愉悦』を覚える『本物のスペシャリスト』だからな。さっきの言葉は、嘘でもハッタリでもなく、単なる事実。俺はヤバい。こんなのが上に立ったら世界は終わりだ。剣翼が舞っても世界は終わるが、俺が舞っても同じぐらいの勢いで色々と終わる。その辺、よく理解しておけ」

「……『ついでに、私にも嫌われておこう』という、その浅ましさは、王の振る舞いとしてふさわしくないので、おやめください」

「……」

「私に対して演技は無意味です。あなたに対する忠誠が、『薄っぺらな言葉』で揺らぐことはありえません」

「……はぁ……」





 ★


 翌日の朝、センは、
 勉強机の上で、ノートを広げて、
 前回の記憶をほじくり返しつつ、
 今後の方針について考えていた。

(俺の戦闘力があれば、GOOは問題なく殺せる……流石に、蓮手より強いGOOなんざ、そうそういないだろう……仮に、蓮手より上位のGOOが出てきたとしても、俺は『俺より強い程度の雑魚』には負けない……で、当面の問題は『首魁』がどこにいるか……蓮手以外に首魁が存在し、そいつの実力がアウターゴッド級となると……かなり、厄介……)

 ――と、そこで、
 軽快にスマホが鳴り響いた。

(カズナからか?)

 と思ったが、
 しかし、

(……え……)

 表示された番号には見覚えがあった。

(これ……茶柱の……)

 『羅列の詳細』を完全に暗記しているわけではないが、
 この『数字の並び』には覚えがあった。
 イヤな記憶ほど、残ってしまいがち。


「……はい」


 困惑しつつも、電話に出てみると、
 茶柱は、

『どちら様ですかにゃ?』

 などとぬかしてきたので、

「それは、100%、こっちのセリフだ」

 反射的に、そう返すと、
 電話の向こうが、シンとなった。

 三秒の逡巡(しゅんじゅん)を経て、

『……その声……どっかで聞いたことがあるような、ないようにゃ……えっと、どこだったかにゃぁ……これだけ【記憶に残っていない】ということは、間違いなく、興味の対象外……となると、範囲が広すぎるにゃぁ……』

「……『心の声』は、心の中だけにとどめておけ。そうすれば、誰も傷つかずにすむ」

『で? この電話の主はどちら様なのかにゃ? 特殊なルートで、電話番号だけ入手したから、本当にどちら様なのか、分からないのにゃ』

「……特殊なルート……ねぇ……。ちなみに、それはどういうルートだ? 『俺の名前を教える』のは、その『特殊なルートに関する情報の対価』としよう」

『実はツミカさん、【相手の頭上に携帯番号が映る目】を【寿命の半分】と引き換えに手に入れているのにゃ』

「……そいつは、また、ずいぶんナンパな『死神の目』だな。渋谷の路上で売り出せば、10人に一人ぐらいは契約しそうだ」

『それで? あなたはどちら様なのかにゃ?』

「俺の名前は『昼神(ひるがみ)日(れふと)』。新世界の神になりたくない男だ」

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