『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……
34話 バタフライエフェクト。
34話 バタフライエフェクト。
(上流階級に属する者は、話をするとき、ここを利用しないといけない決まりでもあるのか?)
などと、心の中で、つぶやきつつ、
センは店の中に入る。
店内にいるのは、一人だけだった。
奥の席に一人で席についている。
彼女は、センを見つけると、
スっと上品に立ち上がって、50度の角度でお辞儀をした。
トイメンの席について五秒後、
雰囲気のあるダンディな60代後半のおっさん(店長)が、
店の奥から、ほとんど音もなく現れた。
センの目の前にコーヒーをさし出すと、
そのまま奥へと消えていく。
その背中を見送りながら、
センは、
「いい店だよな、ここ。色々と高品質で。……俺にコーヒーの味は分からないが、どうせ、これも、だいぶ高い豆的なアレなんだろ?」
「世界一高いコーヒー、ブラックアイボリーといいます。値段にすると……一杯で5000円と言ったところでしょうか」
「……ふざけてんな」
そう言いながら、センはコーヒーを口に運ぶ。
思ったことは一つだけ。
「うん。わからん」
『味の違いが分かる』も立派な技能の一つなので、
『基本無能』のセンにわかるはずがない。
「ちなみに、高いコーヒーは、猫の糞だって聞いたことがあるんだが……これが、そう?」
「いえ、ブラックアイボリーは象の糞です」
「……へぇ……ゾウですか……心象的な視点で言うと、ネコの方が、まだマシだったかなぁ……」
などと、どうでもいい事を口にしてから、
「まあ、そんなことはさておき……とりあえず、今日一日を過ごしてみての感想を、お互いに報告しあうとしよう。まずは、こちらから」
センは、蓮手とアゲモが別の人間に入れ替わっていることを踏まえて、今日一日が、前回と、さほど違いがないという事を伝えた。
「元凶ともいうべきクソ野郎と、謎のポエマーが、それぞれ、別人に入れ替わっている……なるほど。間違いなく大きな変化ですね」
と、センの言葉を反芻してから、
「こちらに変化はありませんでした。『不完全な間違い探し』と言ってもいいほど、変化を見つけるのに苦労しました。バタフライエフェクトが起きた様子もありません。不自然なほどに、前回と同じ一日でした」
「それは、俺も思ったよ。時間跳躍の影響が、あまりにもなさすぎる。明らかに不自然。カオスが整いすぎている。おそらく、超次元的な保存法則が働いているんだろう。そうじゃないと、この収束力に説明がつかない。……『蓮手とアゲモの二人の人間が入れ替わっている』というのも、バタフライエフェクトではなく、変数的な扱いだろうと俺は睨んでいる」
「それは……どういう意味でしょうか?」
「この世界は、『俺たちが時間跳躍すること』と『あの二人が入れ替わる事』が前提で創られたものである……というのが、俺の結論だ」
「……」
(蓮手は、『久剣が生きていること』に対し、『驚いている風』を見せていたが……おそらく、『俺が久剣を守ること』も、前提のうちに入っている……もしかしたら、蓮手自身の計画に、久剣の存在はなかったかもしれない……が、『もっと大きな視点でモノを見ている観測者』のプランには、久剣の存在も不可欠だったんだろう……)
心の中で、そうつぶやいてから、
「まあ、世界に対する考察なんて無意味なんだがな。『観測者』の視点だと、あるいは、それも、大事なことかもしれないが、『当事者である俺達』にとって『大事なこと』は、ゴールにたどり着くこと。それだけだ」
「私たちにとってのゴールとは、なんなのでしょうか?」
「世界の終わりを阻止すること」
「元凶がいなくなったのであれば、もう、同じことは起こらないのでは?」
(上流階級に属する者は、話をするとき、ここを利用しないといけない決まりでもあるのか?)
などと、心の中で、つぶやきつつ、
センは店の中に入る。
店内にいるのは、一人だけだった。
奥の席に一人で席についている。
彼女は、センを見つけると、
スっと上品に立ち上がって、50度の角度でお辞儀をした。
トイメンの席について五秒後、
雰囲気のあるダンディな60代後半のおっさん(店長)が、
店の奥から、ほとんど音もなく現れた。
センの目の前にコーヒーをさし出すと、
そのまま奥へと消えていく。
その背中を見送りながら、
センは、
「いい店だよな、ここ。色々と高品質で。……俺にコーヒーの味は分からないが、どうせ、これも、だいぶ高い豆的なアレなんだろ?」
「世界一高いコーヒー、ブラックアイボリーといいます。値段にすると……一杯で5000円と言ったところでしょうか」
「……ふざけてんな」
そう言いながら、センはコーヒーを口に運ぶ。
思ったことは一つだけ。
「うん。わからん」
『味の違いが分かる』も立派な技能の一つなので、
『基本無能』のセンにわかるはずがない。
「ちなみに、高いコーヒーは、猫の糞だって聞いたことがあるんだが……これが、そう?」
「いえ、ブラックアイボリーは象の糞です」
「……へぇ……ゾウですか……心象的な視点で言うと、ネコの方が、まだマシだったかなぁ……」
などと、どうでもいい事を口にしてから、
「まあ、そんなことはさておき……とりあえず、今日一日を過ごしてみての感想を、お互いに報告しあうとしよう。まずは、こちらから」
センは、蓮手とアゲモが別の人間に入れ替わっていることを踏まえて、今日一日が、前回と、さほど違いがないという事を伝えた。
「元凶ともいうべきクソ野郎と、謎のポエマーが、それぞれ、別人に入れ替わっている……なるほど。間違いなく大きな変化ですね」
と、センの言葉を反芻してから、
「こちらに変化はありませんでした。『不完全な間違い探し』と言ってもいいほど、変化を見つけるのに苦労しました。バタフライエフェクトが起きた様子もありません。不自然なほどに、前回と同じ一日でした」
「それは、俺も思ったよ。時間跳躍の影響が、あまりにもなさすぎる。明らかに不自然。カオスが整いすぎている。おそらく、超次元的な保存法則が働いているんだろう。そうじゃないと、この収束力に説明がつかない。……『蓮手とアゲモの二人の人間が入れ替わっている』というのも、バタフライエフェクトではなく、変数的な扱いだろうと俺は睨んでいる」
「それは……どういう意味でしょうか?」
「この世界は、『俺たちが時間跳躍すること』と『あの二人が入れ替わる事』が前提で創られたものである……というのが、俺の結論だ」
「……」
(蓮手は、『久剣が生きていること』に対し、『驚いている風』を見せていたが……おそらく、『俺が久剣を守ること』も、前提のうちに入っている……もしかしたら、蓮手自身の計画に、久剣の存在はなかったかもしれない……が、『もっと大きな視点でモノを見ている観測者』のプランには、久剣の存在も不可欠だったんだろう……)
心の中で、そうつぶやいてから、
「まあ、世界に対する考察なんて無意味なんだがな。『観測者』の視点だと、あるいは、それも、大事なことかもしれないが、『当事者である俺達』にとって『大事なこと』は、ゴールにたどり着くこと。それだけだ」
「私たちにとってのゴールとは、なんなのでしょうか?」
「世界の終わりを阻止すること」
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