『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……
10話 正直に答えろ。
10話 正直に答えろ。
美麗との電話を切り、
個室トイレから外に出た直後のことだった。
手を洗おうと、洗面台に向かおうとしたところで、
『紅院(くれないん)正義(まさよし)』は、
背後に殺気を感じ、反射的に振り返ると、
そこには、『奇抜な形状のまがまがしいナイフ』を手に持ったセンが立っていた。
「……ぉ、驚いたな……なぜ、ここに?」
「俺の持つ『図虚空』の機能は大きく分けて二つ。一つ、精神的負荷量(調節可能)に応じて魔力量が上がる。二つ、特定の魔法が使えるようになる。以上だ。二つ目に述べた『特定の魔法』の中には『瞬間移動』も含まれる。次元ロックがかかった場所には飛べないが……お前らに次元ロックを張ることはできないだろ?」
「……そうだな。魔力を持たない我々では、高位のマジックアイテムを扱うことが出来ない。『一般人でも使用可能』な『魔力内包型のマジックアイテム』も、何個か保有しているが……時空や空間に対して高次元に働きかけることが可能な代物ではない」
正義(まさよし)は、ため息を一つはさんで、
「瞬間移動が出来たのか……それは聞いていなかった……というより、美麗の話を聞く限り、その手の魔法は使えないものと思っていた」
「上位GOOの次元ロックを華麗に破れるほどの魔法は使えねぇ。次元干渉は、出力だけでどうにかできるものじゃねぇからな。『160キロを出せてもストライクが入らないんじゃ試合では使えない』みたいな感じかな。『泥臭い試行回数』か『損傷という代償』が必要不可欠。――どうやら、俺は、殴り合いは得意らしいが、魔法は苦手らしいんだ」
「殴り合いは得意『らしい』……か。そこにはどういう意図が含まれるのかな?」
「俺はまだ、俺を理解してねぇ。俺はあまりにも奇妙。その『観点』に関してだけ言えば、お前らと俺に差異はねぇ」
「……ふむ」
正義(まさよし)の相槌を受けて、
センは、
重厚な一拍を置いてから、
「一つ質問する。正直に答えろ。――ちなみに、俺が使える魔法の中には『相手の嘘を見抜く』というのもあるから、嘘はつかない方がいい。俺を怒らせるだけだ」
ちなみに、そんな魔法は使えない。
が、そんなことは、正義にわかるはずもない。
「……嘘を見抜く……か。そんなものが実在したら、この世の人間関係はすべて崩壊するだろうな。人と人の関係は薄っぺらな嘘の上に成り立っている」
「お前の持論を聞きにきたんじゃない。てめぇは、俺の質問にだけ、バカみたいに答えてろ」
「……了解した。なんでも聞いてくれ」
「俺が動かなかったら、本当に、ガキを殺す気だったのか?」
「……」
正義は、センの目をジっと見つめる。
言葉に迷っているワケではない。
答え方を整えているだけ。
正義は、2秒という『重たい時間』をおいてから、
「……ああ。君が動かなければ、最大10人殺す予定だった。そうなったときのための準備もしてある。謝罪会見用の原稿とか、ネットニュース用の記事とか、親御さんへの慰謝料なんかも用意してある。――嘘を見抜く魔法など必要ない。君がその気になって調べれば、証拠はすぐに集まるだろう」
美麗との電話を切り、
個室トイレから外に出た直後のことだった。
手を洗おうと、洗面台に向かおうとしたところで、
『紅院(くれないん)正義(まさよし)』は、
背後に殺気を感じ、反射的に振り返ると、
そこには、『奇抜な形状のまがまがしいナイフ』を手に持ったセンが立っていた。
「……ぉ、驚いたな……なぜ、ここに?」
「俺の持つ『図虚空』の機能は大きく分けて二つ。一つ、精神的負荷量(調節可能)に応じて魔力量が上がる。二つ、特定の魔法が使えるようになる。以上だ。二つ目に述べた『特定の魔法』の中には『瞬間移動』も含まれる。次元ロックがかかった場所には飛べないが……お前らに次元ロックを張ることはできないだろ?」
「……そうだな。魔力を持たない我々では、高位のマジックアイテムを扱うことが出来ない。『一般人でも使用可能』な『魔力内包型のマジックアイテム』も、何個か保有しているが……時空や空間に対して高次元に働きかけることが可能な代物ではない」
正義(まさよし)は、ため息を一つはさんで、
「瞬間移動が出来たのか……それは聞いていなかった……というより、美麗の話を聞く限り、その手の魔法は使えないものと思っていた」
「上位GOOの次元ロックを華麗に破れるほどの魔法は使えねぇ。次元干渉は、出力だけでどうにかできるものじゃねぇからな。『160キロを出せてもストライクが入らないんじゃ試合では使えない』みたいな感じかな。『泥臭い試行回数』か『損傷という代償』が必要不可欠。――どうやら、俺は、殴り合いは得意らしいが、魔法は苦手らしいんだ」
「殴り合いは得意『らしい』……か。そこにはどういう意図が含まれるのかな?」
「俺はまだ、俺を理解してねぇ。俺はあまりにも奇妙。その『観点』に関してだけ言えば、お前らと俺に差異はねぇ」
「……ふむ」
正義(まさよし)の相槌を受けて、
センは、
重厚な一拍を置いてから、
「一つ質問する。正直に答えろ。――ちなみに、俺が使える魔法の中には『相手の嘘を見抜く』というのもあるから、嘘はつかない方がいい。俺を怒らせるだけだ」
ちなみに、そんな魔法は使えない。
が、そんなことは、正義にわかるはずもない。
「……嘘を見抜く……か。そんなものが実在したら、この世の人間関係はすべて崩壊するだろうな。人と人の関係は薄っぺらな嘘の上に成り立っている」
「お前の持論を聞きにきたんじゃない。てめぇは、俺の質問にだけ、バカみたいに答えてろ」
「……了解した。なんでも聞いてくれ」
「俺が動かなかったら、本当に、ガキを殺す気だったのか?」
「……」
正義は、センの目をジっと見つめる。
言葉に迷っているワケではない。
答え方を整えているだけ。
正義は、2秒という『重たい時間』をおいてから、
「……ああ。君が動かなければ、最大10人殺す予定だった。そうなったときのための準備もしてある。謝罪会見用の原稿とか、ネットニュース用の記事とか、親御さんへの慰謝料なんかも用意してある。――嘘を見抜く魔法など必要ない。君がその気になって調べれば、証拠はすぐに集まるだろう」
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