『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

70話 知らんよ。

 70話 知らんよ。

「やつらと向き合うことは、ハッキリ言って、とても恐ろしい。一撃で狩れるほどの『弱い神話生物』が相手でも、私は、常に、根源的な恐怖を抱えています」

 ここに関しては、ゴキブリをたとえに出すと、
 たいていの人にとって、理解がしやすいかもしれない。

 人間であれば、生まれた直後の赤子であっても、
 ゴキブリに負けることは、
 サイズ的な問題で、絶対的にありえない。

 しかし、たいていの人間は、
 ゴキブリを見つけた瞬間、
 震えるほどの恐怖を覚える。

 たまに『素手でやつらを狩れる猛者』がいるが、
 しかし、その絶対数は極めて少ない。

 『かつて、進化前の人類は、ゴキブリに食われていた。ゆえにゴキブリに対して過剰な嫌悪感を覚える』
 という説がある。
 これが真実だった場合、
 『根源的恐怖』とは、
 そう簡単に克服できない難題である、
 という事が理解できる。

 当然、センにも、根源的恐怖はあるわけで、
 そして、そのことを、黒木は理解している。

 『ロイガーとの闘いで、センが震えていた』という事実に気づいていたのは、
 決して茶柱だけではない。

 南雲も含め、あの場にいた全員が、
 『センがロイガーに対して恐怖している』というコトに気づいていた。

 『瀬戸際の感情』を隠しきれるほど、
 『センの演技力』はお上手じゃない。

 だから、

「GOOと向き合う覚悟は、たとえ、少量であったとしても『敬愛に値する至高の勇気』です。あなたの勇気は、その中でも、最高位と言わざるをえません。……なぜ、それほどの勇気を……なんの報酬もないのに、発揮することができるのですか?」

「お前らだって、これまで、特に報酬もないのに、やってきただろ。それと同じだよ」

「私たちは携帯ドラゴンを持っています。それに、『一等』としての責任もあります。ノブレスオブリージュなどという上等な言葉を使う気はありませんが、『血統』には『一定の責任』が伴うものなのです。私たちは『逃げるわけにはいかない理由』がありました。あなたは違う」

「だから、世界が死んだら、俺も死ぬから、やらざるをえない――」

「そこに関しての話はしていません。私が聞きたいのは、どうして、報酬を拒むのか、という点です」

「……」

「過大な評価は欲しくないという、その謙虚さは、まあ、まだ、理解できなくもない部分がなくもないですが……しかし、あなたの『感謝すら必要ない。シカトしてほしい』という感覚は、一ミリも理解できません。だから、教えてほしいのです」

 そこまで詰められたことで、
 センは、深いため息をつきながら、

「……しらんよ……」

 うなだれつつ、
 『本音』を口にする。

「正直、なぜ、俺が、ここまで『過大評価』にビビっているのか、いまいち、理解できてねぇ。でも、なんか……よくわからんけど……あえて言うなら……魂魄が忌避している……王とかリーダーとか……そういう役職からは『とにかく逃げろ』と、心の芯が叫んでいる……理由はマジで知らん……表層では『責任とれないから』と認識しているものの、本当のところは、よくわかっていない……」

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