『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

31話 誰か。姉さんを助けて。このままだと、姉さんが壊れてしまう。

 31話 誰か。姉さんを助けて。このままだと、姉さんが壊れてしまう。

 攻撃を受けた直後、ウムルは、20メートルほど離れた場所に出現すると、

「っっつぁああ……くぁあ……痛っっ……たぁ……うっ……くぅ……」

 魔法で頭部の損傷を回復させつつ、
 自分の頭部にナイフを突き立てた男をギラリとにらみつける。


「き、貴様ぁ……」


 ギリっと奥歯をかみしめながら、
 どうにか、反射的に沸き上がってくる殺意を修めようと、

「すぅ……はぁ……」

 深い呼吸で、自分を律する。
 突然の出来事に『ビビって』『飛び上がって』『暴れ散らす』……
 というのは、さすがに、神として、あまりにもみっともない姿である、
 と、当然理解できているため、
 ウムルは、自分を必死に抑え込み、



「用事があると……言っていなかったか?」



 まだ軽くズキズキしている頭をさすりながら、
 センに、そう声をかけた。

 センは、
 右手の中でナイフをもてあそびながら、

「ああ、『これ』を取りにいくという用事を済ませてきた」

 グっと、柄を強く握りしめ、
 刀身をウムルに見せびらかしながら、
 センは、


「どう? かっこよくね? 俺、これ、なかなか好きなデザインなんだよ」


 重量感のある大型のナイフで、
 装飾はガッツリと厨二チック。

 と、そこで、
 『茶柱祐樹の思念』が、
 センのそばに近寄ってきて、



「……すげぇ、かっこいいよ」



 などと言ってきたので、
 センは満面の笑みで、

「だろ? この黒い線が入っているところがいいよな? この感性を『厨二くさい』とバカにするヤツもいるだろうが、しかし、俺は、そういうやつらに言ってやりたい。お前らみたいに『厨二、厨二』って揶揄(やゆ)していれば『それでカッコつく』と思っている連中の方が、よっぽど痛いという、この世の真理に――」

「ナイフの話じゃないよ。あんたの話だ。最高にかっこいい」

「……目、くさってんのか? それとも、あれか? 『高度な嫌味』ってやつか? 仮に、お前の顔面偏差値を70とした場合、俺の顔面偏差値は余裕の30後半とかになるんだぞ」

 茶柱祐樹は、罪華の弟だけあって、
 『暴力的な美少年』である。

 センは、自分の顔を『不細工』だとは認識していないのだが、
 しかし、祐樹を前にすると、つい、
 『うわっ、俺の顔面偏差値、低すぎ……?』
 と、普通に落ち込んでしまう。

「言っておくが、俺は、イケメンが嫌いだ。ツラのいいヤツを見ると、何がどうとは言えんけど、そこはかとなく腹が立つ。というわけで、その顔で、俺に言葉を投げかけるときは、細心の注意を払うように。オーライ?」

 ――などと、そんなセンの言葉を、
 祐樹は100%シカトして、

「魂魄の大半を削って『可能性』は示したけど……正直『応えてくれる』とは思っていなかった……」

 ブツブツと、





「……あんたは『応えて』くれた……僕の……『姉さんを助けてくれ』って『叫び』と向き合ってくれた……」





 胸をかき抱きながら、

「あんたは、最高のヒーローだ」

 そんな、まっすぐな言葉を並べてから、
 センの目をジっと見つめて、

「……たくすよ……もう、『他の誰か』は求めない。あんたに……あんただけに……『大半』ではなく……僕の『全額』をベットする」

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