『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

21話 バカなの?! 死ぬの?!

 21話 バカなの?! 死ぬの?!

「どこの神のイタズラか知らないが……くく……まさか、このウムル=ラトをコマとして、利用するとは、なかなか根性がある。……少々、不愉快……だが、格別『気分が悪い』というわけでもないかな……なかなか面白い体験だった。技術だけ特化したパワーゼロの武神との遊戯。貴重な体験だった。酒の肴くらいにはなるだろう」

 などとつぶやきながら、
 ウムルは、

「どうせなら、最後まで付き合ってやろう。さあ、くるがいい。技はともかく、肉体は極めて脆弱な貴様に、心技体、すべてが充実している『神』の高みを見せつけてやる」

 そう言って、広く両手を広げるウムル。

 ここで、センは結論を出す。

(生命力の差がエグすぎる……今の俺の状態だと、勝てるわけがない……せめて、こいつの『100分の1の力』でもあれば、なんとか出来ないこともない気がするんだが……)

 ギリっと奥歯をかみしめ、

(正直、茶柱から、携帯ドラゴンの剣を借りても、どうしようもねぇだろう……)

 現実と向き合う。
 センは、どんな時でも、決して、現実から目をそらさない。

(とはいえ、今のところ、他に手がねぇ……とりあえず、まずは、剣でやりあってみて、それでも、どうしようもねぇなら、また別の案を考える……)

 そう結論づけると、
 センは、茶柱に視線を向けなおし、

「茶柱、いつまでも呆けてないで、さっさと、俺に剣をよこせ」

 その言葉を受けて、
 茶柱は、

「……はっ……」

 と、鼻で笑い、

「私はバカじゃない。見ればわかる。……勝てないでしょ。剣を使ったって」

「……」

「ウムルは、あまりにも強すぎる……まさか、ここまでとは思っていなかった……」

 バツの悪そうな顔で、
 ふてくされたように、
 プイと、ソッポを向きながら、

「……ごめんなさい……こんなつもりじゃなかった。あなたを殺す気はなかった。それは事実。殺意を抱くほど、私は、あなたに興味を持っていない。心底、どうでもいい」

 と、小さな声で、ボソっと謝る。

「いらん言葉も混じっているが、しかし、だからこそ『マジで謝っている感』を感じるな」

 真摯な態度ではないが、
 しかし、『本気で悪いと思っている』ということだけは伝わってきた。

 『悪いと思っている』というより、
 『自分のミスを悔いている』といった方が正しいのだが、
 まあ、セン側からすれば、大した違いではない。

「お前が謝る姿は、かなりレアな気がするから、得をしたような気がしないでもない……が、しかし、今は、お前の謝罪とか、マジで、いらん。とにかく剣だ。さっさとくれ。なんか、今のところ、ウムルさんが、空気を読んで待ってくれているみたいだが、それもいつまで持つか分からねぇ」

 と、そこでウムルが、

「正直な話をするなら、私はヒマだ。今のところ、特にやるべきことはない。だから、この余興に、もう少しだけ付き合ってあげるつもりだ。もちろん、無限に待つ気はないがね」

「……あざーす」

 センは、雑に礼を言ってから、

「茶柱、はやく」

 と、せかすと、
 茶柱は、キっと、センを睨み、

「意味ないでしょ! なに考えてんの?! バカなの?!」


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