『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

15話 ウムルの中心は殺せない。


 15話 ウムルの中心は殺せない。

 センは、思考ゼロの状態で、


「――理円(りえん)・絶華(ぜっか)・煉獄一閃(れんごくいっせん)――」


 死そのものを刻むような一撃を放つ。
 それは、まさに、極限まで研ぎ澄まされた神速の放電!!



「うぶほっ……」



 真っ二つに切られたウムルは、
 白目をむいて、大胆に吐血する。
 ブシャっと、美しく、流血の華が咲く。

 そのまま、

「うべ……っ」

 ばたりとその場に倒れこむ。

 完全残身の中にあるセンは、
 ウムルが倒れた音を耳にしたことで、
 ハっと、

「……っ……」


 我に返り、
 倒れているウムルの背中に視線を向ける。

「……」

 頭の中が、グルグルとまわる。
 何が何だかわからないが、
 しかし、いくつかの事象が頭の中で繋がっていく。

 インパルスがわめく。
 同時に、心臓のリズムが乱れて跳ねる。

「ぉお……センセーは、本当に、すごいにゃぁ。まさか、ウムルまで倒してしまうだにゃんて……」

 パチパチと、茶柱が、拍手を送ってくる。

「その強さは、本当に――」

 と、また、どうでもいい言葉を口にしようとするのを、
 センは、

「逃げろ」

 大量の脂汗に包まれた顔で制する。

「え? 逃げろって……もう、倒して――」

「ギリのところで、よけられた。もう相手の油断に付け込むことはできない。こいつは、昨日のザコとは格が違う……今の俺に……こいつの『中心』は殺せない……」

「……へ?」

「さっさと逃げろ!! ここから、もっとエグい死闘になる! お前をかばっていられる余裕はない! 邪魔だから、はやく――」

 と、そこで、

「ごぽっ」

 ウムルが、黒い血を吐いてから、

「すぅうう」

 大きく息を吸い、

「ふぅう……」

 一定のリズムで吐いてから、
 おもむろに立ち上がり、

「あー、ビックリした……」

 素で、そんな言葉をつぶやいてから、
 パチンと静かに指を鳴らした。

 すると、センの手の中にあった、
 ウムルの右腕が、スゥっと溶けた。

 直後、ニュニュニュっと、ウムルの右肩から腕が生えてきて、
 それと同時に『センに切られた部分』も、ウニニッと治癒され、
 ほんの一瞬で、完全に元通りになってしまった。

「的確に核を狙われた――と理解できたタイミングが、あとコンマ数秒遅れていたら、ズラすのが遅れて、バッサリと魂魄の芯を切られていたかもしれない……信じられん神業(かみわざ)……貴様、どこの神だ? なぜ、人間に擬態している?」

「……」

「その『過剰に薄っぺらな肉体』を見た段階で気づくべきだったな……いくら人間という種が脆弱でも、そこまで『度を超してスカスカな器を持つ者』などいるわけがない。明らかに、人ではない。人の皮をかぶった神。……で? 貴様はどこの神だ? ……もういいから、擬態をとけ」

「いや、あの……」

 理解に苦しんでいるセンに、
 ウムルは、続けて、

「貴様は、私に一撃を入れてしまった。もはや、争いは免れない。先の『神業』を見るに、さぞかし名のある武神だろうが、しかし、私も『虚空に使える神』の一柱。一発いれられたまま、おめおめと引き下がることは出来ない。さっさと正体を見せよ」

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