『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

3話 究極超凡人センエースの面倒くささ。

 3話 究極超凡人センエースの面倒くささ。

 薬宮トコは、基本的に『男』を信用していない。
 アゲセンと紅院正義の二人に関しては、
 『特別』と認識しているものの、
 しかし、『全面的信頼』はおけない。

 ――特に、紅院正義は『立場』上、どうしても、
 『特異的功利主義志向』を捨てられないから、
 ギリギリ信用は出来ても、直球の信頼は出来ない。

 特異的功利主義志向の根幹を一言で言えば、
 ――紅院正義は、『自分』が助かるためなら、
 『娘の命』をベットすることも可能な人間である――
 ということ。

 この辺に関して、正義は、『ごまかしていない』ので、
 その分、トコは、彼を信用しているわけだが、
 同時に、トコの中で、『それが人間の本質である』という、
 『シッカリとした土台のある諦観』を形成してしまった。

 もろもろの理由があって、彼女は、
 『利益なしに動く男はいないだろう』
 と、決めつけてかかり、
 結果的に、先ほどのような、
 『とにかく報酬を吊り上げる』
 という、ゴリ押し戦法をとることとなった。

 ようするに、一言で言えば、
 彼女は『リアリスト』が過ぎた。
 薬宮トコは、ロマンチックを求めない。
 彼女は『白馬に乗った王子様』を信じない。

 ゆえに、トコは、センエースのような、
 『合理的に考えて、俺がやるしかないだろう。ごちゃごちゃと前提を積む必要性など皆無。これは、きわめて単純な話。――やるしかねぇなら、やってやる。できるかどうかはどうでもいい。そんだけ』
 という、バカ丸出しの『尖った思考』をする男もこの世の中には存在する、
 ということが理解できていない。

 ――センエースは、基本的に、
 『利益(儲けにつながるか否か)』ではなく、
 『合理(道理にかなっているか否か)』で動く。

 それも、『社会的合理(マクロな視点での正当性)』ではなく、
 彼の『中』にしかない『固有的本質的合理(自分がウザいと思うか否か)』を求めて動く。

 しかし、だからこそ、ゆえに、

(過剰に持ち上げられるのはゴメンだ……なにが『王の中の王』だ……そんなもんになって、俺に、なんのメリットがある……俺以外のヤツには、多少、メリット的なものもあるのかもしれんが、俺目線だとゴリゴリに皆無)

 どこまでも、いつまでも、めんどくさい男、
 それがセンエース。
 どんな状況に陥ろうと、決して変わることのない、
 彼の絶対的イデオロギー(観念形態)。


 ――心の中で、ブツブツと、めんどくさい言葉を並べつつ、
 ようやく門をくぐり、紅院家の敷地の外に出ると、

 そこで、



「にゃははー、こんにちはー」



 と、笑顔で気さくに声をかけられた。
 声の主は、変態美少女、

「………………こんにちは」

 とりあえず、挨拶を返したセンに、
 彼女――茶柱罪華は、

「こんなところで会うなんて奇遇だにゃぁ」

「いや、奇遇もクソも……俺がGOOとの戦闘後に気絶して、紅院の家で寝ていたことは、さすがに、お前も知ってるはず――」

「あー、もしかして、ツミカさんのことを待ち伏せてしていたのかにゃぁ? ストーカーさんなのかにゃぁ? キモい人なのかにゃぁ?」

「……」

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