『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

72話 お前こそ、真のキャバクラ無双よ。

 72話 お前こそ、真のキャバクラ無双よ。

(探せばいるもんだな……『俺と似た人間』というのも……まあ、別に探していたワケじゃないが……)

 などと、センが心の中で、
 無様な『ファントムトーク』に興じていると、
 トコが、

「ま、ええわ。あんたが何者やろうと、結論に変わりはないから」

 そう言いながら、
 右手を差し出してきた。

 握手を求められていると理解できないほど、
 センの頭はラリっていないので、

「ん……んー」

 とりあえず、求めに応じて、トコの手を握る。
 小さくて、柔らかな手。
 しっかりとした握手をしつつ、
 センは、

「ぇと……反射的に掴んでしまったわけだが……これは、なんの握手だ?」

 その質問に、
 トコは、ニっと微笑み、

「ようこそ、神話生物対策委員会へ。新しいリーダーの誕生を、チームメンバー一同、心から歓迎するで」

「……リーダー?」

「もちろん、それだけやない。新リーダー兼、新エース兼、新特攻隊長兼、新遊撃隊長兼、新相談役兼、新ご意見番兼、新人類の救世主。それが、あんたのポジションや。ひゅぅ、かっこぃい。そんだけの肩書きがあったら、キャバクラで無双できるなぁ。よっ、大統領! あんたが大将!」

「……役職の量がエグすぎて溺れそう……」

 いったん素直な感想を口にしてから、

「キャバクラで無双したくないんで、辞退させていただきます」

 と、丁寧に御断りの言葉を並べるが、
 しかし、トコは、そんな言葉を、右から左へ受け流し、

「それで、リーダー。今後のスケジュールについて、少し相談があるんやけど、ちょっと時間を貰(もろ)てエエかな? 全部、細かく決めていくとなると、たぶん、8時間くらい必要になると思うけど」

「勝手に話を進めるな。俺は『人の上に立てる器』じゃない。そういう資質は持ち合わせていないんだ」

「はは、ウケるぅ」

「なに、わろてんねん。一ミリもボケてねぇだろうが」

「リーダー、残念ながら、運命からは逃げられへんねんで」

「運命とは殺すものと見つけたり……というのが、俺の人生の答えでな」

「せやけどな、リーダー」

「まずは、リーダー呼ばわりからやめてみようか。そうすれば、きっと、新しい世界が広がってくれるはずだから」

 などと『丁重な前』を置いてから、
 丁寧に、丁寧に、

「大前提として、俺は常に孤高。徒党を組むのは、俺の人生論的にNG。組織とか、チームとか、ギルドとか、ラボメンとか、そういう概念は、俺の中に存在しない。ユーノウ? オーライ?」

「リーダーを心から慕うチームメンバーの一人として、正式に苦言を呈(てい)させてもらうけど、そんな『通るはずのないワガママ』ばかり言うてたらアカンよ。リーダーは、『あたしらの中心』として『人類の代表になる』と『誓った身』であり、また『世界に、それを認められ、求められたヒーロー』なんやから」

「ぇ、ちょ、待って……お前、何言ってんの? なんの話? 俺が『人類の代表になると誓った』って……は? え? あれ? もしかして、俺、寝ている間に、世界線を移動した?」

「なにを言うてんねん。昨日、あの土壇場で、ハッキリと宣言してたやないか。『ヒーロー見参』って、声高に」


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