センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

39話 玉と棒をひねりつぶす。

 39話 玉と棒をひねりつぶす。

 トコは、一度、ボソっと、

「昼間に話してみた感じやと、悪いヤツではないような気がしてたんやけど……どうやら、勘違いやったようやな。やっぱ、人の内側ってヤツは、ちょっと話しただけやとわからんもんやなぁ」

 などと、悲しそうにつぶやいてから、
 キっと、鬼のような目になって、

「しっかし、ほんま、ええ度胸しとるわ。これほどの勇者には、相応の褒美をあげなあかんなぁ。屈辱と辛酸と破滅と恐怖と苦痛と絶望と……あと、何をあげようかなぁ」

「あなた、バカですか? 美麗さんとトコさんを覗くなんて……この世で最も成功率の高い自殺行為ですよ」

「小腹がすいたにゃぁ。帰ったら、何を食べようかにゃぁ……」

「つ、罪華ちゃん、は、はやく体を隠してっ! なんで、そんな昼下がりのコーヒーブレイク中みたいな顔でボーっとしているの?!」


 ガンギレ薬宮。
 あきれる黒木。
 イカれた茶柱。
 狼狽する南雲。

 ワーワーと聞こえる女性陣の言葉を完全にシカトしているセン。
 目を閉じ、右手で頭を抱え、苦々しい顔で歯噛みしながら、ダンマリを決め込む。

 寡黙に固まったセンの頭の中では、

(さーって、どうすっかなぁ……こんなもん、言い訳の仕様がねぇんだよなぁ……『瞬間移動をしてきた瞬間』を見られていたなら、まだ、どうとでも出来たんだが……)

 センが転移した2秒後に、
 紅院たちは、センの気配(声)を察知して振り返っていた。

 つまりは、現状、
 『こっそりと忍び込んできた』
 と思われてもおかしくはない状況にある。

(……『バケモノからバシルーラくらいました』って言われて、信じるピュアガールが何人いるかって話なんだよなぁ……もし、俺が逆の立場だったら、『嘘つくならもっとまともな嘘をつくだろう……と思わせるタイプの大ウソだろう』と思うだろう。………………たまに思うけど、俺って、ちょっとだけ、多角的にめんどくせぇ性格してるな……)

 などと考えていると、
 そこで、紅院が、


「このノゾキ魔は、あたしが見張っておくから、あなた達は着替えてきて」


 リーダーらしく、テキパキと指示を出す。

 すると、南雲ナオが、
 心配そうに、

「ぇ、あの……一人で……大丈夫?」

 そう言ってきたのに対し、
 紅院は、ニっと笑って、

「言っておくけど、私がその気になったら、男子高校生が1000人束になってかかってきても瞬殺できる。……私の事は心配しなくていいから、さっさと着替えてきなさい」

 そこで、トコが、南雲の肩を押しながら、

「ミレーは、あたしらの中で一番強い。万が一にも、襲われることなんかありえん」

 そう言って、紅院以外の全員で、シャワールームから出ていった。

 バスタオル一枚で、しかし堂々としている紅院は、
 センに、

「さっきから、ずっと顔を背けているわね。『ノゾキをしていた』という前提さえなければ『なかなか気合の入ったジェントルマン』だと賞賛してしまうところだわ。ま、実際のところは、『バレてしまった以上、被害は最小限に抑えるべき』と判断して黙秘権を行使しているだけの『小賢しいクズ』でしかないけど」

 粘り気のある嫌味を前に置いてから、
 強い口調で、

「そのままシッカリと目を背けておくように。もし、少しでも、こっちを見ようとしたら、あんたの股間についている球と棒を、正式にひねりつぶすから、覚悟しなさい」


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