センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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37話 心から敬愛しております。

 37話 心から敬愛しております。


「――『お人よし』で『絆』を大事にするお兄は、大『親友』の『田中トウシ』と力を合わせて、迫りくる巨悪を、『友情パワー』で撃退した」

「誰が現代文のテストをやれと言った!」

「……オイちゃんも、その手の言葉に対しては、虫唾が走るタチなんで、口に出させないでくれまちゅ? まったく……『美女に、虫唾を走らせながら、キショい言葉責めをさせる』とか……本当に、お兄の変態性は、特殊が過ぎまちゅねぇ」

「こんなひどい風評被害ある?! チカン詐欺が可愛く見えるゲスの諸行!!」

 と、そこで、
 アダムが、

「シューリ、そろそろ、いい加減にしろ」

 続けて、ミシャが、

「そうね。いくらなんでも、あなたの発言は目にあまる」

 その援護射撃に、
 センは気をよくして、

「そうだ、そうだ!」

 と、シューリを攻め立てていくが、

「そうですちゅね。オイちゃんが間違っていまちた。反省して、これからは、そこの二人と同じように、お兄のことを、全身全霊で崇め奉っていこうと思いまちゅ。今まで、無礼なことを言って、申し訳ありませんでした。この上なく尊き神の王、いと美しき輝きの結晶センエース様。ははーっ」

 という、トリッキーな反応を見せてきたため、
 センはあわてて、

「いや、そういうことじゃないじゃん。それは違うじゃん」

「私の何が間違っていたのでしょうか、美しき主よ。愚かで矮小なわたくしめに、どうか、正しき道を示していただきたく存じます。もし、わたくしの頭上に、天の光が降り注いだなら、それは、わたくしの命の全てを照らす『この上ない幸運』でございましょう。リラ・リラ・ゼノリカ」

「……うぜぇ……」

 メチャメチャ渋い顔で、
 心底しんどそうに、

「お前は、もう、あれだな! ほんと、的確かつ正確かつ精密に、俺が嫌がることをしてくるな! お前が、どれだけ俺のことを嫌っているかがよく分かる!!」

「お戯れを。わたくしは、この上なく尊き主を、心から敬愛しております」

「やめろぉ! いや、マジで、やめてください! 謝りますから! いったいナニを謝ればいいのか分からんけど! とにかく、全力で謝罪しますので、もとの対応に戻してください!」

「わかればいいんでちゅよ」

 と、偉そうにふんぞり返るシューリに、
 センは、普通にイライラしながら、
 頭を抱えて、

「アポロギスを倒さなければよかった……」

 と、ボソっとつぶやく。

 その言葉に、ピクっと、反応を見せるアダム。

 アダムは、表情を固定させたまま、

「主上様、アホの介護はその辺にして、そろそろ目的地に向かいませんか?」

 ピリっとした空気をかもしだしながら、
 しっかりとしたトゲのある言葉を投げかけてくる。
 ビリビリと弾ける電気を纏った言葉。

 そんなアダムの、キツめの雰囲気に対し、
 普通にビビったセンは、

「あ……はい、そうですね」

 恐縮しながら、
 軽く揉み手をしつつ、

「そ、それでは、アダムさん。ウワサの『誰も入れない遺跡』とやらに、案内していただけますか?」


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