『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

3話 やべぇ美少女と、ドッシリしたガキ。

 3話 やべぇ美少女と、ドッシリしたガキ。

 ボロ雑巾のように扱われた屈強な男を尻目に、
 ゲンは、受験生たちに、

「さあ、まだ、あと二つ質問できるぞ。なんでも聞いてくれ」

 ニコっと優しく微笑みかけながらそう言った。

 屈強な男の憐れな姿を見てしまった受験生たちは、
 シンと静まり返ってしまい、
 誰も手をあげようとしない。


「およ? 質問はもう無い感じかな? では――」


 と、質問タイムを切り上げようとしたところで、

 スっと、
 受験生の群れの中から、手が伸びた。

「はい、そこの『ヤバそうな雰囲気をまとった美少女』の方、質問をどうぞ」

 手を上げたのは、ケムスと同年代くらいの少女。
 身長高めで、華奢な体躯。
 黒のミディアムボブで、整った顔立ち。
 どこか、はかなげな雰囲気を醸し出している美少女だった。

 パっと見の段階で、
 『特に目が肥えているわけじゃない一般人』でも、
 『あれ? この女、なんか怖いぞ。別に、顔が怖いわけでもないのに、なんでだ?』
 と思ってしまう、なんとも異様な雰囲気を醸し出している。

 死の気配。
 闇の気配。

 言語化しきれない、独特の黒いオーラ。
 どれだけ隠そうとしても、
 完全にはぬぐいきれない、
 命の漆黒。

 ――そんな凶悪な雰囲気を纏っている美少女は、
 凛と響く涼やかな声で、

「……『可能かどうか』はいったん横に置いておいて……もし、あなたを殺してしまった場合、不合格になってしまうのでしょうか? できれば、イエスかノーかでお答えいただきたいのですが」

「イエスだ。俺は死にたくない。前提として、この試験は討伐試験じゃない」

「質問に答えていただき、ありがとうございます」

 そう言って、軽く頭を下げた美少女。

 そんな彼女を横目に、
 ゲンが、

(あの女……目がやべぇ……人間のモノとは思えないほど『ドロっとした闇』が、瞳の奥でまたたいている……)

 普通にビビリながら、
 心の中で、そうつぶやいたと同時、

 ――その『怖い美少女』の隣に立っている、
 『気位の高そうな十歳くらいのガキ』が、
 スっと手をあげた。

「はい、そこの非常に御若い方」

 ゲンにそう評されて、
 その『十歳くらいのガキ』は、
 苦笑いの表情を浮かべ、

「……君には負けるさ」

 軽くそう言ってから、

「僕の質問も、『可能かどうか』のところは無視して答えてほしい。もし、君が『試験の途中』でリタイアした場合――絶命もそうだけれど、たとえば、失神・気絶なんかで戦闘不能状態に陥った場合、試験はどうなるのかな? もう一度言うけれど『僕らごときが相手だと気絶も失神もしないから大丈夫』なんて答えは求めていないからね」

 子供とは思えないほど理知的で堂々とした態度。
 彼の『にじみ出るエリート感』に、軽く気圧されるゲン。

(あのガキ……『隣の美少女』ほどのヤバさは感じないが、すげぇシッカリとした土台を感じる……)

 『奇妙なヤバさ』や『謎の怖さ』は感じないが、
 『シッカリとした芯の強さ』はヒシヒシと感じる。

 ドッシリとした器に支えられていて、
 押してもビクともしなさそうな、
 大樹を彷彿とさせる存在感。

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