『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

最終話 もっと。

 最終話 もっと。

(仮に『複数戦の時は、相手の数に応じてリミッターが緩和される』……というシステムだったなら、まだワンチャンあるが、そうじゃなかったら、囲まれてボコられて終わり)

 ゲンは推測する。

(おそらく、スーパーリミッターは、『タイマンかつ、サイコジョーカーを使えば、ギリギリどうにか出来なくもない』、という程度の解除しかしてくれない。それも、『数値の上』での話でしかなく……戦闘力は考慮されない)

 少なくとも、ケムスとの闘いではそうだった。
 『数値の上ではギリギリ勝っている』という程度の解除。

 おそらく、それが、スーパーリミッターのデフォルト。
 いくら改造しようと解除できない枷。


「……結論を言おう。俺はまだまだ弱すぎる」


 自分に対して宣言する。
 『お前は弱い』とつきつける。

「……おそらく、ロコは、味方の誰が死んでも心を痛める。あれはそういう人間だ」

 これは願望ではない。

 惚れた女に『そういう人間であってもらいたい』という願い。
 そんな甘っちょろいものではない。

 これは事実。
 とてつもなく厳しい現実。

「究極的なロコの願いは……おそらく、誰一人死なない革命を成すこと……むちゃくちゃだぜ……」

 それがムチャクチャであることを、
 ロコも当然理解している。
 だから、普段は、絶対に、
 『ソレ』を口に出して望んだりはしない。

 しかし、あの保健室での会話で、
 ゲンから本音を求められた時、
 ロコは、真の『胸のうち』を口に出した。

 たった一人、
 ゲンに対してだけ、
 彼女は『むき出しの願い』を口にした。

 ソレは、きっと、
 『頼るに値する男だ』と思ってもらえたから。



「惚れた女に頼られた……それで無理をしないヤツは男じゃない」



 ゲンは、自分自身にそう言い聞かせながら、
 チョコネコのフロアを突き進んでいく。

 凶悪なモンスターをボコボコにしていく。
 体にムチを打って、自分自身を磨いていく。

 その中で、ゲンは気づく。


「また、停滞期の野郎が遊びにきたな……二度とくるな、と言っておいたのに、まったく、しょうがないヤツだ……」

 ケムスとの闘いで、
 ゲンの可能性は花開いた。

 しかし、人間の可能性は、
 一度の開花だけで完成するものではない。

 何度も、何度も、何度も、咲いて、
 大輪の花束になって、
 しかし、それでも、ゴールではない。

 それが人間の可能性。
 ある意味で、無間地獄。

(一気に引き上げられたものだから、一気に壁まできてしまったって感じか……)

 闘いの中で、
 ゲンは、自分の『才能のなさ』を改めて実感する。

「天才なら、もう少し視界が広くて明るいんだろう……けど、壁を前にした時の『俺の視界』はいつだってコレだ。真っ暗で、じっとりとしていて、脳が圧迫される……」

 1ミリたりとも、『未来』を思い描けない壁。
 壊せる気がしない分厚い壁。

 しかし、ゲンは、知っている。
 この絶望を乗り越えた先に、
 今の自分を置き去りにした自分が待っている。


「さあ、いこうか……俺は止まらない……もっと行く! 壁をぶっこわし、限界の向こうへ!」


 ゲンは怯むことなく、前へ進む。
 前へ、前へ、前へ!


「そうだ! 俺は、もっといく! もっと! もっとっ! もっとぉお!!」


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