『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

69話 秘密兵器。

 69話 秘密兵器。

「……ずいぶんと質の高い魔剣だな……どこで買った?」

「自分でつくったんだよ。すげぇだろ」

「答える気はない、か。まあ、別にかまわないが」

 鼻で笑ってから、
 少しだけ真剣な目をして、

「この僕と、本気でやる気か?」

 そう前を置いてから、

「君ごときじゃ、僕の相手にならないことは、わかっているだろう?」

「この学校に入る前の俺だったら、確かに、相手にならなかっただろう。けど、この学校で、俺は多くを積んだ……もはや、あんたごときに負けたりしねぇ」

「……本物のバカだな」

 ため息まじりにそう言うと、
 ケムスは、ロコに視線を向けて、

「ロコ様。あなたの付き人をボコボコにしてもかまいませんか?」

「許可する。高みを知るのはいい経験になるだろうから。しかし、殺すことは絶対に許さない。あなたと違い、あたしは、ゲンの可能性を信じている。今は勝てないだろうけれど、そう遠くない将来、ゲンは、あたしの派閥内で有数の戦士になる。あたしの手ゴマを奪うことは許さない」

「……了解しました」

 そう言うと、
 ケムスは、腰に携えている剣を抜いて、
 その場でクルリと回転させ、

「広域空間ランク15」

 空間系の魔法を使い、
 この場を、戦闘可能な広い空間に変えた。
 二人きりの空間。
 整った舞台。

「無様な姿を、あえて衆目に晒して喜ぶような趣味はないだろう? こちらとしても『ガキをイジめている姿』を見られるのは体裁が悪い……というわけで、外界からは隔離された空間に招待させてもらった」

「ほう……好都合だね。ここなら、俺の秘密兵器が公にバレずにすむ」

「口だけは常に一丁前だな。なにが秘密兵器だ。バカバカしい」

 そう言いつつ、
 ケムスは剣を抜いた。

 ゆったりした構えで、
 ゲンを睥睨(へいげい)する。

「無能なアホガキに、現実というものを教えてあげるよ」

「現実なら知っているさ。呆れるほど俺に厳しくて容赦がない稀代のサディスファクション……それが現実だ。勘弁してほしいぜ、いや、まじで」

「なんだ、サディスファクションって」

「サディストの最上位に決まっているだろ。サディスト、サディスター、サディスファクション。常識だろ」

「僕の知っている常識とは違うな」

「ミートゥーだぜ、バカ野郎」

 そう言いながら、真剣卍を構えるゲン。
 そんなゲンに、ケムスは、呆れ顔で、

「……ハッキリとわかった。君は頭がおかしい」

「もしかして、今まで俺のことを『まとも』だと思っていたのか? どうやら、人間観察力が死んでいるようだな。そんなやつにロコ様の剣など出来るはずもなし」

「ロコ様の剣として、自分が完璧だとは思っていないさ。しかし、君よりは遥かにマシだと断言できる」

 そう言い捨てると、
 ケムスは、グっと下半身に力を込めた。

 そして飛び出す。
 高速の寄せ。

 剣が煌めいて、
 ゲンの頬をかすめる。

 シュパっと頬が切れて、
 軽く血が噴き出す。

「おっとっと」

 ゲンは、即座にオーラで止血して、
 ケムスの第二手に対し、
 真剣卍で合わせにいった。

 ギンッ!

 と、硬質な音が響く。


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