『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

67話 俺が、ガン〇ムだ!

 67話 俺が、ガン〇ムだ!

「人の頭で世界の正解など導き出せるわけがない。だからこそ、慎重な議論が求められる。僕は自分の考えが100%正しいなどとは思っておりません。しかし、100%間違っているとも思ってはいない。ゆえに、僕は、僕の基準に従って、主君に思いをぶつけさせていただきます」

 彼女が、『全宮家の御意見番』というポジションを、強く求めているのは、
 くだらない出世欲ではなく、彼女なりの哲学があるから。

 人が不完全であることを、彼女は知っている。

「どのような決断を下すかは、ロコ様次第ですし、ロコ様の決定には従うつもりですが、彼が『僕と同じテーブルにつくこと』に関して、僕は、歓迎することができません」

「ケムス。あなたの言いたいことはだいたい分かったわ。で? どうしたいの?」

 そこで、ケムスは、

「……」

 スっと、
 ゲンに視線を向けて、

「君が、自分の意思で、この会議に参加することを辞退する……というのが、この場をおさめる最も順当な判断だと、僕は思うのだが、君はどう思う?」

 話を振られて、
 ゲンは、



「えーっと……」



 プレートを外してロージンバッグをポンポンする投手のように、
 少し間をおいてから、

「もう、だいたいのコトは理解した……なぜ、俺がここに呼ばれたのか、現状がどういう状況か、ここにいる連中がどういう基準で集められたのか……あるていど、誤解なく理解しているということを明言した上で、これから発言をさせてもらおうと思う」

 状況を誤解しているわけでも、頭が錯乱しているわけでもない、
 と丁寧に前を置くと、
 スゥ……と、息を吸い、

「これまで言う機会がなかったから、一度も言わなかったが……状況的に、ちょうどいいから言っておく。俺は、全宮ロコ様の剣になる男だ。ただの剣ではなく、ロコ様が誇る最強の剣になる。ようするには、この組織のトップになるということ。ロコ様が頭目だから、実数値的にはナンバーツーになるわけだが、その辺の『言葉のごちゃごちゃ』は気にするな。あんたらが理解しておくべきことは一つ。俺が、俺こそが、ロコ様が誇る最強の剣になるってこと。それだけが俺の目的であり、そうなるための努力を惜しんだことは一度もない。……というわけで、俺がこの場から去る理由はない。以上」

 一歩もゆずらず、
 わずかもぶれることなく、
 どこまでもまっすぐに、
 自分の主張を述べたゲン。

 そんな彼の発言に対し、
 ケムスは、フンと、鼻で笑い、

「ありえない未来を夢見て語る姿は非常に滑稽だな」

 全力で小バカにしていく。

 ケムスは、他人の夢を、無意味にあざ笑っていくほど愚かな女ではない、
 しかし、『お前ふくめ、全員、ぶっちぎってやる』と宣言されていながら、
 黙ってヘラヘラしているほど温度の低い女でもない。

 魂に哲学を持つ者同士が同じテーブルにつけば、
 おのずと、互いの魂魄をぶつけあう戦争に発展する。
 それが人の性(さが)。

「ロコ様の派閥で最強になるということは、僕やヤマトを超えるということだぞ。自分でいうのもなんだが、僕たちはケタ違いの天才だ。君のような『ちょっとした秀才』とは見ている景色が違う」


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