センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

59話 開け、激昂迅雷モード。

 59話 開け、激昂迅雷モード。

(……一撃にかけるしかねぇ……激昂迅雷モードで、ゲームメイクをして、ここぞという時に、サイコジョーカーでブーストをかけた『最強の一撃』を叩き込むしか……選択肢がねぇ……)

 彼我の差を考えれば、
 『後先考えない全身全霊の神風特攻』しか道はないのだ。

 ゆえに、ゲンは、

「すぅう……はぁあ……」

 深呼吸をはさんでから、

(憤怒モードでも、自分を抑えるのはかなり大変だった……あれ以上の『バーサク状態』となると、細かい制御は絶対に不可能……)

 激昂迅雷モードは、スペックが大幅に上がるが、
 しかし、憤怒モードよりも強めのバーサク状態になってしまう。

(コントロールはシカトする……感情に身を任せ、アドレナリン頼りの大暴れで場を荒らす……そして、スキを見つけて、サイコジョーカーでトドメ……おそろしくガバガバなプランだが、それしかねぇ……だから、やるしかねぇ……)

 覚悟を決める。
 頭の中を、戦意という熱で埋め尽くす。

「はぁぁぁ……すぅぅぅぅう――」

 ――深めの吸気が止まった時、
 ゲンは、



「開け、激昂迅雷モード」



 奥歯を強くかみしめながら、
 自分自身を解放させる。

 宣言と同時、
 グググググッと、
 体の奥から、何かがこみあげてきた。

 頭の中がグツグツと煮立った。
 世界の色が白く染まっていく。
 世界が白と影だけの単純な構造になっていく。

 色彩の大半を失ったモノクロの世界。
 ゲンの視界は、

「ぐぎぎぎぎぎぎ……」

 さらに狭くなっていく。
 感情が暴走しているのが理解できた。
 しかし、制御できなかった。
 する気になれなかった。
 理解を置き去りにする情動の暴走。

 ゲンの中に存在する『感情』の全てが沸騰する。

「ぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぁあああああっっ!!」

 不定形の雄叫(おたけ)びをあげて、
 ゲンは、セイバーリッチ・プチに襲い掛かった。

 なんの計算もない一手。
 先ほどの憤怒モードよりも、
 雑に、
 はやく、
 豪快に!


「憤怒モードの時よりも、さらに速度が増したな。……しかし、根本は何も変わっていない。それではなんの意味もない」


 結局のところは、闘牛とマタドール。
 その関係性に変化はない。
 だったら、意味はない。

 ゲンの速度は間違いなく上がったが、
 セイバーリッチ・プチに『対処できない速度』ではなかった。


 0000000000000000000000000000000000000

 『ラージャンゲン・激昂迅雷モード』

 「攻撃力」       【125000】
 「魔法攻撃力」     【111000】
 「防御力」       【0】
 「魔法防御力」     【0】
 「敏捷性」       【530000】
 「耐性値」       【0】
 「バリア再生力」    【0】
 「魔力回復力」     【0】
 「反応速度」      【390000】

 1111111111111111111111111111111111111


「無様に暴れるだけの低能モンスターに気後れするほど、私の武はぬるくない」


 そう言いながら、セイバーリッチ・プチは、
 あえて、ゲンのふところに飛び込み、

「――死楼華(しろうか)――」

 老練なグリムアーツを決め込んだ。
 絶妙な『蹴手繰(けたぐ)り』。
 完璧なタイミングで、ゲンの足を蹴りはらい、
 姿勢が崩れた直後、落ちてきたゲンの肩を、
 地面に向けてたたきつけた。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品