センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
53話 セイバーリッチ・プチは強すぎる。
53話 セイバーリッチ・プチは強すぎる。
(……よくわからんけど、まあ、これで、少しは可能性が出てきたかな……いやぁ、しかし……なんだろう、この『過保護なレール』に乗っている感……いや、この違和感は、過保護というより……『おざなり(テキトー)』って感じ……)
などと、心の中で考えていると、
それまで静観していたセイバーリッチ・プチが、
「輝くような強さじゃないか。荒々しく、煌々と輝く光。――私もならおう。漆黒よりも黒き闇に染まる私を魂魄に刻め」
そう言うと、右手を天に掲げて、
「彷徨う魂を祝福しよう。終わりなき常闇に、安らかな終焉を与えよう。さあ、詠おう。詠おうじゃないか。抗えぬ死と、狂える絶望に敬意を表し、たゆたう漆黒の杯を献じながら。――そう。私は聖なる死神、セイバーリッチ・プチ。死の剣を背負い舞う漆黒の煌めき!!」
セイバーリッチ・プチの詩に誘われるように集まってきた深き闇は、輝きながら収束していく。
闇色に輝く粒子を放ちながら、
セイバーリッチ・プチの背後に、左右三本ずつ、
宙に浮かんでいる剣の翼が顕現した。
刀身に刻まれた神字が輝きはじめ、
まるで喝采のようにバチバチと黒い電流を放出しだす。
「これぞ、まさしく、聖なる絶望。この世界で最も強大な力――
【死神の剣翼】
――さあ、聖なる死を迎えいれよ」
剣の翼は、まるで後光。
その凶悪なオーラの中に、
ゲンは、
言葉にならない神々しさを見た。
「……おいおい、また、グンと圧力が増したな……発言は永遠に香ばしいのに、オーラの方はガチすぎて、鬼チビりそうだぜ」
言いながら、ゲンは、肩をまわす。
姿勢を整えて、呼吸を深くする。
「いきなりヤベェ敵が登場して、いきなりヤベェ力を手に入れて……正直、頭の整理がまったく追いつかないパニック状態だが……まあ、でも、不思議と、心の芯は落ち着いている……そんな自分が正直、気持ち悪くてしかたねぇ……が、同時に、少しだけ誇りに思う」
自分に対する意見を並べてから、
「マジで、現状、さっぱり意味不明だが……だからって、みっともなくアタフタしているだけのカスに、全宮ロコの剣はつとまらねぇ。どれだけワケわかんなかろうが、どれだけ目の前に絶望が広がっていようが……最後の最後まで、徹底的に、全力で、もがき、あがき、闘い続けてみせる」
そう宣言すると、
呼応するように、
ギィイインと、エグゾギアの駆動音が加速した。
暴れたがっているのを強く感じた。
ゲンはニっと笑って、
「プチよ、俺を導いてくれ」
テンプレなセリフを口にして、
ダンッッと、地面を蹴りつける。
ゲンは、飛翔した。
空間をシカトして、次元を駆け抜ける。
その様を見て、セイバーリッチ・プチが叫ぶ。
「すばらしい速度だ! しかし、遅いな!」
「どっちやねん!!」
明確に矛盾するセリフを叫ぶセイバーリッチ・プチ。
だからこそ、つい、型通りの言葉を返してしまったゲン。
互いの武をぶつけあう両者の様は、まるで、
暴れ猛(たけ)る闘牛と、
冷静沈着なマタドールのよう。
(……よくわからんけど、まあ、これで、少しは可能性が出てきたかな……いやぁ、しかし……なんだろう、この『過保護なレール』に乗っている感……いや、この違和感は、過保護というより……『おざなり(テキトー)』って感じ……)
などと、心の中で考えていると、
それまで静観していたセイバーリッチ・プチが、
「輝くような強さじゃないか。荒々しく、煌々と輝く光。――私もならおう。漆黒よりも黒き闇に染まる私を魂魄に刻め」
そう言うと、右手を天に掲げて、
「彷徨う魂を祝福しよう。終わりなき常闇に、安らかな終焉を与えよう。さあ、詠おう。詠おうじゃないか。抗えぬ死と、狂える絶望に敬意を表し、たゆたう漆黒の杯を献じながら。――そう。私は聖なる死神、セイバーリッチ・プチ。死の剣を背負い舞う漆黒の煌めき!!」
セイバーリッチ・プチの詩に誘われるように集まってきた深き闇は、輝きながら収束していく。
闇色に輝く粒子を放ちながら、
セイバーリッチ・プチの背後に、左右三本ずつ、
宙に浮かんでいる剣の翼が顕現した。
刀身に刻まれた神字が輝きはじめ、
まるで喝采のようにバチバチと黒い電流を放出しだす。
「これぞ、まさしく、聖なる絶望。この世界で最も強大な力――
【死神の剣翼】
――さあ、聖なる死を迎えいれよ」
剣の翼は、まるで後光。
その凶悪なオーラの中に、
ゲンは、
言葉にならない神々しさを見た。
「……おいおい、また、グンと圧力が増したな……発言は永遠に香ばしいのに、オーラの方はガチすぎて、鬼チビりそうだぜ」
言いながら、ゲンは、肩をまわす。
姿勢を整えて、呼吸を深くする。
「いきなりヤベェ敵が登場して、いきなりヤベェ力を手に入れて……正直、頭の整理がまったく追いつかないパニック状態だが……まあ、でも、不思議と、心の芯は落ち着いている……そんな自分が正直、気持ち悪くてしかたねぇ……が、同時に、少しだけ誇りに思う」
自分に対する意見を並べてから、
「マジで、現状、さっぱり意味不明だが……だからって、みっともなくアタフタしているだけのカスに、全宮ロコの剣はつとまらねぇ。どれだけワケわかんなかろうが、どれだけ目の前に絶望が広がっていようが……最後の最後まで、徹底的に、全力で、もがき、あがき、闘い続けてみせる」
そう宣言すると、
呼応するように、
ギィイインと、エグゾギアの駆動音が加速した。
暴れたがっているのを強く感じた。
ゲンはニっと笑って、
「プチよ、俺を導いてくれ」
テンプレなセリフを口にして、
ダンッッと、地面を蹴りつける。
ゲンは、飛翔した。
空間をシカトして、次元を駆け抜ける。
その様を見て、セイバーリッチ・プチが叫ぶ。
「すばらしい速度だ! しかし、遅いな!」
「どっちやねん!!」
明確に矛盾するセリフを叫ぶセイバーリッチ・プチ。
だからこそ、つい、型通りの言葉を返してしまったゲン。
互いの武をぶつけあう両者の様は、まるで、
暴れ猛(たけ)る闘牛と、
冷静沈着なマタドールのよう。
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