『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

50話 最高位の死神。

 50話 最高位の死神。

 謎の黒い球は、グニャグニャとうごめいて、
 人の形になっていく。

「また、ずいぶんとヤバそうな雰囲気をビシバシと感じさせてくれるねぇ……」

 そして、完成したのは、
 ――漆黒の後光を背負ったバケモノ。

 銀の炎が瞬く三つ目。
 暗きオーラに包まれた、闇色スケルトン。
 そんな漆黒のガイコツを覆うのは、気品ある聖銀のローブ。
 右手には光り輝く聖剣、左手には禍々しい巨大な鎌。

 その『全体的に厨二感がハンパじゃない異形』は、
 ゲンに視点を合わせると、厳かに、

「さあ、踊ろう。永久(とわ)よりも暗い闇の底で、飾り気のない無限ワルツを」

「……こ、こいつは、また、ずいぶんと香ばしいのが出てきたな……」

 言いながら、
 ゲンは、全身にオーラを充満させていく。

 その背後で、
 刈プチが、わななきながら、

「な……ぁ……セイバーリッチだと……あ、あんなバケモノが……どうして、こんな低層に……」

 その様子を横目に見たゲンは、

「あれがどういうモンスターか、その辺も教えてくれるとありがたいんだけど?」

 そう声をかけると、
 刈プチは、両膝と両手を地につけ、

「も、もうダメだ……おしまいだぁ……」

 と、つぶやいた、その無様な姿を見て、

「なるほどよくわかった」

 ゲンは、完全に状況を理解すると、
 闇色スケルトンをにらみつけ、

「まあ、刈プチの『王子的絶望テンプレ』を見る前からわかっていたけどな。言動と格好は、かなりアレだが……しかし、感じるぜ……テメェはとんでもないバケモノだ。何がどうとは言えんけど……心の奥で、誰かがわめいている……お前はヤバい……おそらく、本当の最強。大神級のモンスター」

 警戒心MAXでそう声をかけると、
 闇色スケルトンは、
 優雅に見栄を切り、

「私は聖なる死神セイバーリッチ・プチ。最高位の死神、聖なる死の具現。命の依(よ)り代(しろ)に、鋼(はがね)の宵闇(よいやみ)を届ける者」

「こ、言葉の意味はよくわからんが、とにかくすごい自信だ」

 などとつぶやいた直後、
 ゲンは、
 諸々をすっ飛ばし、


「――滅びのインフラレッド・インフェルノォオオ!!」


 不意打ちとばかりに、召喚獣に命令を出した。

 続けて、覇鬼とワンダーナイトを特攻させて、
 自身も太刀を構えて飛び出した。

 『相手が変わったから』といって『戦法』を変えられるほど、
 今のゲンに『多くのスタイル』があるわけではない。

 ゆえに、ゲンは、今までどおり、猪突猛進。
 今は、まだ、不器用に剣を振り回すことしかできない。
 今は、まだ、手に入れた召喚獣をかたっぱしから召喚することしかできない。


 ――そんな『練度の足りない器』を、
 セイバーリッチ・プチは、
 容赦なく一蹴する。


「――ぷげらっ!」


 粗雑なカウンターをくらい、
 ゲンは、無様な声を出しながら吹っ飛ぶ。

「ぐぅああ……いってぇ……うぇ……」

 激痛にもだえ苦しむゲン。

 三体の召喚獣たちは、
 主人であるゲンを守ろうと、
 それぞれ、果敢に、セイバーリッチ・プチへと挑むが、

「カス以下の低級モンスター風情が、この私を相手に、何をしようというのかね」

 しかし、セイバーリッチ・プチは、召喚獣の猛攻をモノともせず、
 聖剣とデスサイズで、
 ――バサバサァッッ!!
 と、三体のモンスターを、一瞬のうちに切り捨ててしまった。


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