『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

48話 刈りプチさん。

 48話 刈りプチさん。

「この先に進もうとしたところまでは……うっすらと覚えているんだが……」

 などとつぶやきつつ、
 例のフロアに足を踏み入れたゲン。

 すると、そこには、石板があって、

「……挑戦者求む……か」

 石板には、
 『挑戦者求む。もし私に勝てたら、豪華景品をプレゼント。勝てそうにないと思ったら逃げてもOK。デメリットはなし。騙す気ゼロ。やりがいに満ちて、夢が実現して、成長し、感動できて、非常におとくで、ノルマも残業もなくて、週休二日制の、アットホームな挑戦です。さあ、今すぐ、この石板に手をかざそう』
 と書かれていた。

「……こえぇな。ブラックの香りが充満していやがる」

 『残業がない』とは、往々にして『残業費が出ない』という意味であり、
 『週休二日制』とは『2回休める週もゼロじゃない』という意味でしかない。
 騙されてはいけないぞ。


「さて、どうしたものか……このコミカルな感じが、逆に怖ぇ……ニコヤカに近づいてくるインテリヤクザ系の圧力を感じる……」


 尻込みしたものの、
 しかし、

「……まあ、今の俺はそれなりに強いし……最悪の時は逃げればいい……『逃げてもOK』って文言すらも嘘だった場合、そうとうな地獄だが……まあ、なんでもかんでもビビっていたら一歩も前に進めねぇしな……」

 そう判断すると、
 ゲンは、警戒しつつ、
 石板に手をかざしてみた。

 すると、

 ――ギニャリと、空間に亀裂が出来て、
 その奥から、


「……こんなワナにひっかかるアホがいるとは……流石の私もドン引きだ」


 真っ黒なロングトレンチコートを着込んだ『のっぺらぼう(口あり)』が出現した。
 長身で、ガリガリで、肌の質感はボロボロ。

 そんな『彼』の、呆れ交じりのセリフに対し、
 ゲンは、ふんと鼻をならして、


「別にひっかかったワケじゃねぇよ。こんだけヤバそうなワナなら、乗り越えた時に、そこそこの景品がマジで手に入るんじゃねぇかと期待しただけだ。豪華景品が手に入るってところまで含めて嘘だった場合は、もう、なんつーか、アレだな……なんもいえねぇな」


 ゲンは、そう言ってから、

「で? お前は誰だ?」

「私は、刈り取っちゃう者・プチ。長い名前なので、『刈りプチさん』とでも呼べばいい」

「かわいらしい名前だな。フォルムが、もう少しファンシーだったら、女子ウケしたかもな」

 などと言いつつ、
 ゲンは、

「ラムドアイズ・インフラレッドドラゴン、召喚」

 迷わず、出し惜しみせず、手持ち最強を召喚し、
 自身も『真剣卍(まじまんじ)』を抜いて構える。

「一応、確認するが、戦うでいいんだよな?」

「ああ。もちろんだ」

 そう言うと、刈りプチは、両手に巨大なリボルバーを召喚し、

「もし私に勝てたら、『宝くじの護符』という商品が手に入る。使用すると、ランダムでアイテムが手に入るというアイテム。ゴミアイテムしか入手できない可能性もある……が、最高位のアイテムを入手できる可能性もある。すべては、お前の運しだい」

「丁寧な説明、どうも。まるでゲームキャラなみに親切だが……その親切さは、何かしらのアリア・ギアスなのかな?」

「いや、ただの仕様だ」

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