センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

9話 もっと不思議。

 9話 もっと不思議。

「もし、俺の知っている通りの『もっと不思議』だと、いつでもどこでも、サクっと事故死してしまうアルティメットなデスロードなんだけど……ここも、その手のヤベぇ感じなのかな?」


 『もっと不思議』というパワーワードに、
 『当然の不安』を覚えずにいられないゲン。

 どうしたものかと悩んでいると、
 そこで、ビビっと音がして、
 異次元に穴があいた。

「な、なんだ、なんだ」

 警戒していると、
 その穴から、
 ペッ……と、
 『スーファミ時代の説明書サイズの書物』が出てきた。

「摩訶不思議アドベンチャーのバーゲンセールだな」

 などとつぶやきながら、
 ゲンはその説明書を手に取り、パラパラとめくる。

「ふむ……『持ち込み』はありなのか……」

 この説明書には、『チョコネコのもっと不思議な館』に関する説明が書かれており、

「レベルが1になるわけでも、落ちているアイテムが未識別というわけでもないと……はん、それで『もっと不思議』を名乗るとは片腹痛いねぇ」

 などと、しょうもない感想を口にするゲン。

「……ただ、出てくるモンスターは、存在値50オーバーの本格的なバケモノばかり……か」

 ゲンの存在値は、虹気と剣術のおかげで、
 低レベルではあるものの、
 なんとか、50前後には達している。

(タイマンで、慎重にコトを運べば、存在値50クラスのモンスターが相手でも、どうにか勝てるとは思うが……)

 存在値50が相手なら『絶対に勝てない』とは思わない。
 しかし、5~6体に囲まれたら終了。
 タイマンであっても、相手が『状態異常を連発してくる面倒なタイプ』だった場合、対応力不足で落ちる場合もある。

 『もっと不思議』を冠している以上、
 確実に、間違いなく、
 『高いレベルの死の危険性』が蔓延していることだろう。

(残機1のリアル人生で『もっと不思議』に挑むほどの根性はねぇなぁ……ヤマトを連れていけるのなら、おんぶに抱っこの寄生プレイを狙ってみるのも悪くないけど、ボーレの様子を見る限り、たぶん、ヤマトもここには入れないだろうし……)

 当然のように『および腰』になっているゲン。
 しかし、説明書の最後に、

『チョコネコのもっと不思議な館は、非常に難易度が高いダンジョンですが、超良質な素材が山ほど落ちている宝の山です』

 そう書かれていたので、

「超良質な素材か……」

 つぶやきつつ、
 それ以外にも、

「高レベルのモンスターが大量にいるとなると、そいつらをラムドカードにして、戦力の大幅強化をはかれる……ここで諸々を稼げれば、錬金&召喚にブーストをかけられる……」

 ゲンは、かなり悩んだが、

「……まあ、入ったらクリアするまで出られないって仕様でもないし、表の不思議な館と違い、特定アイテムがないと脱出できないわけでもない……試しにちょっと入ってみるか……出入口付近でウロウロして、ヤバくなったらすぐに逃げるスタンスで……」

 などとつぶやきつつ、
 ゲンは、『チョコネコのもっと不思議な館』に足を踏み入れた。



コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品