『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

93話 バンプティとジャミ・ラストローズ・B・アトラーの関係。

 93話 バンプティとジャミ・ラストローズ・B・アトラーの関係。

 気づいた時、
 バンプティは、裏ダンジョンゼノリカの最下層から数えて二番目にあたる、
 『真霊上層』の訓練区画にある休憩所で目を覚ました。

 ボーっとする頭を支えながら、体を起こし、
 周囲を確認するバンプティ。

(……ここは……真霊上層……私は、なぜ、こんなところで……)

 思い出そうとしてみたが、
 頭の中にモヤがかかっていて、ハッキリとしたことが思い出せない。

(たしか……そう……なにか……とても暖かい何かと……向き合っていたかのような……)

 『なにか、とても尊い夢を見ていた気がする。どんな夢だっただろうか』などと、夢の内容を思い出そうとするバンプティ。

 しかし、途中で、ふと、思う。

(夢……? いや、夢では……)

 バンプティの中に根付いた『光』が、
 強く、強く、またたいて、
 偽りのモヤモヤを切り裂いていく。

 魂魄の奥に刻まれた『狂信』の属性が、
 低次元の『忘却』と『勘違い』を許さない。


(夢ではない……私は、間違いなく……『この上なく尊き光』に触れた……)


 自分の両手を見つめるバンプティ。
 シワが刻まれた老人の手。
 だが、驚くほどの生気であふれているように思えた。

 狂信の属性は、酔狂でつくことはあっても、
 伊達として雑多に扱われることはありえない。
 狂気的信仰は、心の中核に宿り、
 人格の大半を奪っていく。

 『神の光』にさらわれてしまったバンプティに、
 ハンパな記憶改竄など通じない。

(ありえないのだ……夢である可能性は皆無……私の心には、確実に、あの尊き光が宿っている……)

 ジワリと、暖かな想いに包まれる。
 バンプティの中に根付いた憧憬が、
 大脳辺縁系を凶悪に刺激して、弓状核後部から、
 膨大な量のドーパミンとアドレナリンを放出させ、
 バンプティの全部を活性化させていく。

(あれほどの体験を夢だと誤認するわけがない……)

 その認識にまで至ると、
 あとは芋ヅル式で『理解』が勝手についてくる。

(となれば、おそらく『先ほどのモヤモヤ』は、主が私に与え給(たも)うた試練の一つ……私を磨く光のカケラ……)

 と、バンプティが勝手な解釈をしていると、
 そこで、


「ん? あれ……え、師匠、こんなところで、何をしているんですか? さっき、パメラノ先生から『師匠はカドヒトを制圧しにいった』と聞いたのですが……もしかして、もう捕縛してきたのですか?」


 休憩所にやってきた『ジャミ』に、そう声をかけられた。

 九華十傑の第一席、ありえないレベルのギフトがてんこ盛りのスーパーチートマン、
 『ジャミ・ラストローズ・B・アトラー』

「……師と呼ぶのはやめよ」

 つい数秒前まで、神の余韻に浸っていたバンプティだが、
 しかし、だからこそ、かつての弟子を前にした瞬間、
 頭が、バチっと『ゼノリカお仕事モード』に切り替わる。

「ぬしに武を教えていたのは、はるか昔。いまや、ぬしの方がはるかに強い」

「たかが『200年ちょっと』を『はるか昔』とは言わないのでは? それに、私の場合、先天的資質が優れていただけであって、実質的な戦闘力では、まだまだ師には及びません」

 『実戦形式(卑怯は敗者の戯言方式)』で殺し合った場合、
 『資質の差』があまりにも大きいため、
 ほぼ100%の確率でジャミが勝つが、
 しかし、『純粋戦闘力だけ』で両者を比べれば、
 まだ、バンプティの方が強い。

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