『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

61話 ここにいる。

 61話 ここにいる。

 ソンキーとセンエースとアポロギスは、
 相性でいうと、ポケ〇ン御三家のように、
 綺麗に、三すくみになっている。

 この前提を踏まえて考えると、
 現状のバンスールは、センエースにとって最悪の相手と言えた。
 存在値は上回られており、
 相性は悪い。

 また、『戦闘センス』だけをとってみれば、
 ソンキーはセンエースを超えている。

 さらに言えば、アポロギスのビルドの中にも、
 センエースが『苦手とする領域』は存在する。
 リ〇ードンがソーラ〇ビームを覚えるように、
 センエースに対して効果抜群をとれる切り札を、
 アポロギスも、いくつか有しているのだ。

 バンスールは、『センエースにとって最悪』の結晶ともいうべき存在。

 結論。
 現状の『バンスール』は、センエースにとって、
 この世に存在する生命の中で『唯一の天敵』とも呼べる存在に昇華した。

 その事実を誤解なく真正面から受け止めて、
 咀嚼して、飲み込んだセンは、
 だからこそ、強く目を輝かせて、


「おお……見ただけでもわかるよ。すげぇ良い感じに仕上がったな。スキがまったくねぇ。この圧力……この重み……いいねぇ。ほんと、いい感じの戦闘力になったじゃねぇか」


 『具体的な戦闘力』を『見ただけ』で測定することは不可能。
 だが『感じること』は出来なくもない。
 今のバンスールは、とんでもない高みにいる。

 センエースの評定を受けたバンスールは、
 そこで、キっと、視線に力を込めて、
 己の魂魄に、最後の最後の気合をブチ込んでいく。

「これで、終わりではない! オレはもっと先へ行く!! オレの可能性全てで、貴様を殺す! さあ、刮目しろ! 貴様を超える神の誕生を見逃すな! ――開け、『究極完全体モード』!!」

 己を完全に解放する一手。
 究極超邪神の切り札。
 バンスールの全てが沸騰する。

 肉体が、魂魄が、命の全てが、
 戦闘に特化した武の化身へと変貌していく。

 死という概念の限界。
 想像しうる絶望の最果て。
 狂気の結晶。

 黒い輝きが落ち着いた時、
 そこには『この上ない最強』が立っていた。

「すべてが……完全に調律された……」

 バンスールは、己の両手を見つめながら、

「見てくれ……なぁ……どうだ? オレは、届いているだろう? 命の頂点に」

「ああ、大きいよ。間違いなく」

 センはそう言ってから、

「けど、頂点はそこじゃない。本当の頂点は、ここにある」

 そう言って、右手の親指で、自分の胸を指さした。
 ゆるぎない自信。
 絶対の覚悟。

 それを前にして、
 バンスールは、

「……すごいな……」

 心の底から、そうつぶやいた。

「オレがそっちの立場だったら言えない。……今のオレを前にして、これほどの力を目の当たりにして……それでも『自分こそが最強だ』……などと、オレでは、口が裂けても言えない」

 今だって、そうだ。
 数字の上では、センエースを超えているが、
 『自分こそが最強だ』とは言えなかった。
 『オレは最強だよな?』
 とビクビクしながら聞く事しかできなかった。

 そんなみっともないバンスールとは違い、
 センエースは、一貫して、堂々と、

「普通のヤツにはできねぇよ。俺だって、ガキの頃には言えなかった。至極、単純な話。――いままで必死になって背負ってきた全てが、俺に不遜(ふそん)を通(とお)させる」

 そう言いながら、
 センはゆったりと武を構える。

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