『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

54話 『存在値10000』VS『存在値170』

 54話 『存在値10000』VS『存在値170』

「はい、これで11発。残り999999989発。はっ、ヌルいな。課せられたノルマが、その100倍でも、まったく足りないレベルだ」

 ハッタリではなく、
 心の底から本気でそう思っていそうな顔で、
 そう言い切った。

 本当に、
 いっさい、
 淀みのない顔だった。

 『存在値10000という暴風のような死』を前にした『極限状態』で、
 『10億回拳をふるう』程度は『楽勝だ』と、
 ――間違いなく、勘違いじゃなく、
 『本気で思っている』としか思えない、徹底的にイカれた狂気の顔。

 その狂った相貌を受けて、
 バンスールは、

「……きょ……狂人……」

 薄く震えながら、そうつぶやいた。
 気づけば魂魄が引いていた。

 ダメージどうこうではなく、
 カドヒトの思考形態にドン引きしてしまう。

 鬼引きしているバンスールに、
 カドヒトは、ニっと微笑んで、

「軽い一端を見ただけで評価を下すなよ。俺の狂気は、そんな一言で終わるほどヌルくねぇ。『頭おかしい選手権の殿堂入り』にして、『変態ランキング、200億1万年連続ブッチギリ一位』のキ〇ガイファンタジスタ……このカドヒト・イッツガイのイカれっぷりを……さあ、とくと味わってもらおうか」

 狂気の笑顔で、
 艶やかに、
 舞うように、

 カドヒトは、バンスールを制圧していく。

 存在値170と10000の闘い。
 圧倒的に、カドヒトの方が不利で、
 普通に考えたら、勝てるわけがない闘い。

 しかし、終始、
 カドヒトが、バンスールを押し込んでいた。
 というより、バンスールの方に『勝ちの目』は1ミリもなかった。

 ボッコボコにされて、
 しかし、まだまだHP的には余裕があって、
 なのに、まったく勝てる気がしないという奇妙な絶望の底で、
 バンスールは、

「なんだ……これは……どうして、こんなことになる……なぜ、圧倒的に格上であるオレが、赤子のようにあしらわれている……こ、こんなの……絶対に、おかしいだろ……」

 憤りの底にいるバンスールに対し、
 カドヒトは、
 冷めた声で、

「お前の存在値……確かに『10000』になっているようだが、しかし、どうやら、基礎存在値が10000になっているというわけではないようだな」

 闘いの中で、カドヒトは気づいてしまった。
 しょせん、ハリボテでしかないということに。

「……『特殊な覚醒技』から算出される『俺の知らない計算式』で『存在値を引き上げている』というだけ」

 だから、パっと見は輝いて見えた。
 なんだって、知らないモノは大きく見える。
 ――が、よく見てみると、
 ガワだけの虚栄でしかなかった。

 世界のリミットは、
 何一つ揺らいでいなかった。

「俺やバーチャ以外にも『現世で神代(かみよ)の力を使える者がいた』という点は驚愕ものだが、しかし、それ以上の『異質』じゃない。というか、お前の力は、なんだか、バーチャの異質をコピーしている感じに思えてならねぇ。実際のところどうかは知らないが……まあ、多分、俺の勘は当たっているだろう」

 異質の本質はつかめないが、
 しかし、そんなもの、カドヒトにとってはどうでもいいこと。

「しょせんは、二番煎じ、三番煎じ。飽き飽きしているとまでは言わないが……まあ、でも、やっぱり、普通に、ガッカリだな」

 その軽い言葉とは裏腹に、
 心底からの落胆を感じさせる『深いタメ息』をつきながら、

「そろそろ五分が経過するな……さあ、カオスバンプティルーレットをまわせよ。今のお前じゃ、このまま殴られ続けるだけだぞ。こんなところで止まるんじゃねぇ、もっと先へいけ」

「………………な、ナメやがって……」

「この状況で、どうすれば、俺がお前をナメずにいられるんだよ。その道理があるってんなら、マジでわかんねぇから、教えてくれや」

「ば、バカにするのも、いい加減にしろぉおお!!」

 そう叫んでから、

「まわれぇえええ! カオスバンプティルーレットォオオオ!!」

 グルグルグルッと、いつもより高速で回転するルーレット。
 それを横目に、バンスールは、


「絶望を教えてやる! カオスバンプティルーレットには、追い込まれた時にしか出ない目がある!!」


(だろうな、その感じだと、そうじゃないかなぁ、と思っていたよ。テンプレとまでは言わないでおくが……まあ、でも、お約束感は否めねぇ)

「オレの混沌を、ナメるなよ、クソガキっっ!」

 叫んでから、

「とまれぇええええええ!!」

 命じると、
 ビタァァっと、回転が停止した。

 その項目が示したものは、



「はっはぁああああ!! 超々々々々大当たりだぁああああああ!」


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