『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

50話 混沌融合。

 50話 混沌融合。

「――待たせたな。それでは、続きをはじめようか。本当の『オレ』の強さを教えてやる」

「ついには表層に出てきたか。お前の異質さも、なかなか面白い」

 カドヒトは、冷ややかな眼差(まなざ)しで、

「ちなみに、お前はなんていうんだ? 名前を教えてくれよ」

「最初に言っただろ。オレはオレを理解していない。オレはただの壊れたデータ。しかし、自分の可能性は理解できている。オレは強大な器。オレという器に、バンプティの可能性が注がれた。それが現状」

「自分の言いたいことだけ言うなよ。俺は名前を聞いている」

「結局のところは、バンプティさ。それ以上でも、それ以下でもない」

「……そうかい。しかし、区別は必要だ。だから、俺はお前のことを、バンプティBと呼ぶことにする」

「好きにすればいい。名前など、どうでもいい」

 そう言うと、バンプティBは、

「まわれ、カオスバンプティルーレット」

 宣言と同時、
 バンプティが顕現させていた『普通のバンプティルーレット』は砕けちり、
 その破片が、カオスなルーレットとなり、
 ぐるぐるとまわりはじめた。

「とまれ」

 命令を受けて回転が止まる。
 12時の位置の矢印が示したのは、

「――混沌融合――」

 宣言すると、
 バンプティBの肉体が黒い霧になった。

 そして、その霧は、


 ――少し離れたところで見学していたスールの体を包み込む。

「なっ……なんだっ……」

 逃げようとしたが、
 しかし、そんな余裕はなく、
 一瞬でからめとられる。
 どうにか払おうとしているが、
 黒い霧は、スールの奥へと侵襲していく。

 ――その様子をみたカドヒトは、

(……混沌融合ねぇ……どんな融合か知らんけど、今のあいつがスールと融合したところで、タカが知れていると思うが……)

 頭の中で『ゴタン(悟〇×サ〇ン)』をイメージしつつ、
 黒い霧と戦っているスールに、

「たすけようか?」

 そう声をかけると、
 スールは、キっと視線を強めて、

「不要です! 自分の身は自分でまもる! 俺は、リーダーに寄りかかるために、反聖典に入ったわけじゃない!」

「そう言うと思ったよ……お前の頑固さは理解できている」

 そうつぶやくと、
 カドヒトは腕を組んで、

(この段階で処理しておけば、魂魄解除の手間が増えずに済むんだが……まあ、いいさ。お前の頑固さと、俺のワガママは一致している。融通がきかないワガママな変態だからこそ、俺たちは、反聖典なんていう、イカれたコトが出来ているんだ)

 心の中でそうつぶやきつつも、ゆるやかに、静観の構えをとった。

 そんなカドヒトの視線の先で、
 スールは必死に、黒い霧に抗おうとしているが、
 しかし、

「うぐっ……ぐぅ……っ!!」

 スールの抵抗を、黒い霧はあざ笑う。

『ギギッ。無駄だ、スール。オレは、貴様ごときに抗い切れる絶望ではない』

「ぐぅう! くっそぉおおおおおおお!!」

 その叫びを最後に、
 スールは、バンプティBに飲み込まれていく。
 グルグルと、粒子が不定形の揺らぎをみせる。
 魂魄がドロドロに溶けていく。


「「ぉおおおおおっっ!! うぉおおおおおおおおお!!」」


 そして、その魂魄は昇華される。
 有機的に、一つになっていく。

 まるで遮光カーテンみたいに、
 張り巡らされた混沌の揺らめきが、
 スールの感情を整理して並べて揃えて、

 そして、

「……ぶはっ!!」

 一致する。
 混ざり合った二つの心。



「完成。……バンプティとスールが合体して、バンスールってとこかな」



 などと口走る『バンスール』に対して、
 カドヒトは、

(まあ、当然、奪われるわな……さすがに、スールじゃ、バンプティBには抗いきれねぇ。そして、やっぱり、ゴタン化しただけ。普通に弱くなっている)




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