『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

33話 センエースの罪を数えるカドヒト。

 33話 センエースの罪を数えるカドヒト。

「なんですか、親の財布から金を盗んだって……会ったこともない相手の、そんな細かいプライベートを知っているっておかしすぎるでしょう」

 スールは心底呆れた顔で、

「知り合いの姉ちゃん云々の話もムチャクチャでしたし……もう、完全にただの妄想ですよね? というか、最初からずっと、思いついた悪口を言っているだけでしょ。童貞とか、友達少ないとか。……『バカじゃないけど頭が悪すぎる』にいたっては、もはや意味がわからないですし」

 そんなスールの返しに対して、
 しかし、カドヒトはとまらず、

「あと、すぐに心が折れる根性なし。孤高を気取っているが、ちょっと寂しくなるとすぐにヘタれる泣き虫。父親がクズ。パズルとかなぞなぞとか、IQが必要な科目が苦手。女に求める理想が高すぎてゲロキモい。惚れた女に対しては女々しい。なんといっても、やっぱり、単純に顔が悪い。努力しなかったら、マジで何もできないポンコツ。技の名前が基本ダサい。弟子に変なニックネームをつけた」

「だから、ほんと、もういいですって!! ていうか、弟子に変なニックネームって、それもしかして、平熱マン聖剣至天帝陛下のことですか?! さすがに、その発言は、マジでやばいですって!」

「だが、事実だ。お前もそう思うだろ。そうじゃなきゃ、まっさきに、あいつの名前が出てくるわけねぇ」

「……」

「だいたい、なんだよ、平熱マンって、ふざけてんのか。受け入れる方も大概だが、やっぱり、提案したやつが一番やべぇ。センエースは、平熱マンに土下座すべきだ」

「……の、ノーコメントで」

 すでに、だいたいの人間が完全に慣れてしまっているので、
 平熱マンという名前に対して、特別『異常』を感じたりはしないが、
 しかし、改めて、『その名前についてどう思う?』と問われたら、
 当然、『いや、まあ……うん……まあ……』とはなってしまうのである。

「……リーダー、マジで落ち着いてください。もう、ほんと、一本通して支離滅裂です。立場上、『センエース非難をするな』とは言いませんが、さすがに、100%の嘘はやめましょう。いくらなんでも『ヘタレ』とか『根性なし』は無理があります。努力至上主義のゼノリカが根性なしを称えるわけがないのですから」

「あいつは、根性なしだよ。14~5歳のガキにボコボコにされて不貞腐れて、以来、そのことが永遠のトラウマになっているという、スーパーヘタレ野郎だ」

「……仮にも世界最強と評されている英雄が、14~5歳の子供に負けるワケないでしょう。悪口を言うにしても、もう少し、頑張って、エピソードに信ぴょう性を持たせないと、聖典と同じになってしまいますよ」

 その発言を受けて、
 カドヒトは、数秒だけ黙ると、
 少しだけ遠くを見て、

「――センエースは、生まれた瞬間から最強だったワケじゃない。弱者だった時代があいつにもある。どうしようもないカスだった時代。ただの意地だけを積み重ねていただけの空虚な時代。……価値ある努力を重ねるようになり、人間の最上に至って以降も、あいつは『ただ強くなった』というだけで、別に『理想通りのヒーローだった』ってワケじゃない。あいつは、ずっとヒーローのふりをしていただけだ。当時はヒーローが必要だったから」

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