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28話 汚物は消毒。

 28話 汚物は消毒。

 バグの異常性を理解すると同時、
 バンプティの覚悟が燃え上がる。

 危機的状況下でこそ、たぎる脳みそ。
 『世界を支える柱』としての覚悟は伊達じゃない。


 バンプティは、即座にオーラと魔力を練り上げていき、
 超々速攻で、
 『一人の修羅』と化すと、


「汚物は消毒じゃぁあ! 異次元砲ぉおおおおおお!!」


 強力な魔法でバグを叩き潰そうとしたが、

「ギギッ……異次元砲……」

 その『バグっぽい虫(以降、仮バグ)』は、魔法で返してきた。
 ぶつかりあう無属性のエネルギー。

 その様を見て、カドヒトが何より驚いたことは、



「キェエエアアアア、シャベッタァァァァァァ!!」



 その一点につきた。

 かつてのバグは、軽い鳴き声を出したり、
 テレパシー的な感じで意思表示をしたりはしていたが
 正確に言葉を発することはなかった。

 魔法を使ってくることもあったが、
 すべて無詠唱だった。

 ――カドヒトが、渋い顔で、

(……バグそのものではないような気がする。コアオーラの質が違いすぎる。だが、似ていると感じさせる。奇妙で不愉快……何より心がザワつく……)

 心の中で、そうつぶやいている間も、
 異次元砲同士のぶつかり合いは続いていた。

 かなり長尺のせめぎ合い。
 どうやら、互いの魔力は拮抗していたようで、
 異次元砲のぶつかり合いは、
 最終的に相殺という形でおちついた。


「ちぃい……私の異次元砲をかき消すとは……間違いなく、ただのザコモンスターではない……」


 バンプティは、さらに警戒心を引き上げつつ、

(だが、聖典のバケモノほどの脅威度ではない……聖典に書かれているバグは、ゾメガ様ですら殺せなかったという、文字通り『ケタ違い』の災厄……私程度は一瞬で殺せてしかるべき)

 こころの中で、敵を分析していく。

(姿かたちは、かつてのバグと多少似ているようだし、存在値も侮れない……)

 情報を並べて、そろえて、咀嚼して、
 それから、結論を出す。

(しかし、かつてのような災害に至るほどの脅威ではないと判断する。危険度は間違いなく『壊れ堕ちたモンスター級』だが、しかし、それ以上の脅威ではない。……私一人でも、どうにか出来る程度……ならば、あとの話は単純自明)

 バンプティの魔力とオーラが、
 限界近くまで練り上げられていく。

 これまで、必死になって『積み重ねてきた全て』を充満させていく。

 心と体が一致して、
 魂魄が武者震いしている。

 完全臨戦態勢に入り、
 いつでもOKになったところで、
 バンプティは、バグの一挙手一投足に注意を払いながら、


「……一応、聞いておく。対話は可能か?」


 その問いに対し、
 仮バグは、気持ち悪い口を開いて、

「ギギッ。できるさ……一応な。オレは格が違うんだ……」

「ならば、聞く。私の空間に介入してきた理由は?」

「ギギッ……貴様には知る資格がない」

「そうか……では、質問を変えよう。貴様は『世界に対する脅威』か? もし『そうではない』というのなら、意味なく駆除したりはしないが?」

「ギギギギギッ……いきなり異次元砲をブッパしておいて、よく言う」

「無遠慮に私のパーソナルスペースに入ってきたそっちが悪い]


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