『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

22話 本気の対話。

 22話 本気の対話。

(この男は『おそろしく奇妙な言葉』を使う……『理解させる気が全くない物言い』じゃというのに、触れていると、なぜだか『つかめそうな気』になってくる……)

 おそろしく濃厚な三分間。
 決定打には届かない高度な応酬。
 武の交わし合いに一呼吸がついた時、

 バンプティは、乱れたオーラを整えながら、



「……見事な武じゃ……認めよう。ぬしは強い」



 カドヒトが魅せたのは、
 『遥かなる高み』ではなく、
 『同じステージ』の『高み』。

 だから、バンプティは、まだ『冷静さ』を保っていられる。

 ただの『純粋な敬意』にとどまっていられる。
 今のところ、まだ、沈着静穏に『認識』を模索できている。
 理解など到底できるわけがない。
 しかし、まだ、現状と向き合っていられる。

「おそらく、ぬしの『その強さ』は先天的なものではない。認めたくはないが……私と同じで『ノロマな歩み』を愚直に積み重ねてきたもの……」

 三分間の対話(たたかい)で、
 バンプティは、カドヒトの器を理解した。

 『正確な強さ』を理解することは難しくとも、
 『同じ道を歩んだ者』の器を理解することなら不可能ではない。

 カドヒトは、決して、ただのクズではない。
 常軌を逸した器を持つ者。

 バンプティの評価を受けて、
 カドヒトは、ニっと微笑んで、

「ああ、その通りだ。俺も、あんたと同じで才能はなかった。だから『一歩前に進むだけ』でも、いつだって、すげぇ時間がかかった……」

 『成長早い』を持っていれば、レベルは上がりやすい。
 しかし、レベルやステータスは、所詮、補正でしかない。
 いくら補正の数値が高くても、
 『根幹となる器』が脆ければ、
 ただの空虚なハリボテとなる。

「全然前に進めない苦痛を背負って……けど、俺は諦めなかった。どんな時でも、折れずに、必死になって積み重ねてきた……」

 自分の手をみつめる。
 グっとにぎりしめて、

「俺は、俺のことを『出来の悪い人間だ』と自覚しているが……しかし『折れずに積み重ねてきた』という、その一点に関してだけは……いつだって俺の誇りだった」

 カドヒトは目を閉じて、天を仰ぐ。
 少しだけ深い呼吸をして、
 呼吸器と世界をリンクさせる。
 世界とひとつになって、
 運命と向き合って……

 ――そんなカドヒトの姿を見て、
 バンプティは、グっと奥歯をかみしめ、



「……私が生まれた時には、すでに、主は御隠れになっていた」



 カドヒトと『本気の対話』をはじめようと、
 真剣に言葉を選択しながら、

「しかし、当時は、今と違い『主を知る者』が『それなり』にいた」

 『当時から既に超高貴な存在だったセンエース』に拝謁できた者は少ない。
 とはいえ、今と比べれば、絶対数は遥かに多かった。

「主を知る者は、みな、主を称えていた。主の光に触れた者は、みな、一様に、深く深く主に感謝していた。あの感情は、勘違いや洗脳や妄想の類ではない。そんなもので、あれほどの想いを抱かせることなど出来るものか。そのぐらいはわかる。私は賢くないが、バカではない。――だから、私も主を愛した。世界を照らしてくれた命の王に、心の底から感謝した」

 本気の対話を求めた理由は単純。
 『そうしなければならない』と魂が叫んでいるから。


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