『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

21話 バンプティ・バンプティ。

 21話 バンプティ・バンプティ。

「まわれ、『バンプティルーレット』っっ!」

 宣言すると、バンプティの目の前に、
 十等分に区切られたホイールが出現し、
 グルグルと高速でまわりはじめた。

 本気で戦う時にしか使用しない異型グリムアーツ『バンプティルーレット』。


「とまれぇ!!」


 命じると、
 回転がビタッッと停止した。

 時計でいうところの『12時の地点』に設置されている『矢印』、
 その矢印が示す効果が出現するという異能。

 本来なら、運否天賦になるこの技だが、
 しかし、バンプティは、長年の訓練により、
 自由に目押しが出来るようになった。

「……『バンプティ・バンプティ』を召喚……私の全力を見せよう」

 バンプティが本気の本気で戦う時のスタイル。

 バンプティ・バンプティは、
 バンプティが、自ら創り上げ、必死になって磨き上げてきた剣の名前。
 ※ この場における創り上げるとは、
   神の『創造』とは違い、
   鍛冶師的な『鍛造』である。
   もちろん『剣創りにおける工程』を、
   一人で全て行ったワケではないが、
   素材集めや、コアマテリアルの強化などは、
   バンプティの手によって行われた。

 バンプティルーレットで当てなければ使用できないというアリア・ギアスを組むことで、火力を底上げしているという徹底ぶり。

 『目押しできる』という点から、じゃっかん、アリア・ギアスの効果は薄くなっているものの、目押しできるようになるまで100年以上の年月がかかっているため、そこまで大きな軽減ではない。

「私の全てを見せよう!!」

 叫びながら、バンプティは、カドヒトと自分の間にある距離を殺した。

 存在値に差があるので、速度で追い込むのはたやすい。
 数字の暴力によるワガママな制圧。

 だが、

「ワンテンポ、鋭くなったな! 火力だけではなく、敏捷性も上がる武器か……いや、その二つだけじゃなく全体的に強化される感じかな? 非常に、いい武器だ! 丁寧に磨いてきたのが伝わってくる! お前の歩みには重みがある! 褒めてつかわす!」

「何様じゃ、ボケ!」

「神様の王様だ! ひかえおろう!」

 存在値の差を埋めてくる軽快なムーブ。
 ヒラヒラと舞い散る花びらのように、
 カドヒトは、バンプティの全てを受け流していく。

(ぐぅ……なんという、キレのある流(りゅう)……本当に、なんなんじゃ、この圧力は……)

 奇妙な『深さ』を感じる武。
 『バンプティの理解』を受け付けない流。

 カドヒトは、きわめて優雅に、バンプティの全てをさらっていく。

「私の剣が! その全てが! まるで見えているかのような動きじゃな!」

「見えなくても、受け流すことは出来るさ! ……命ってのは、そういうものだ」

「まるで悟ったようなことを言うのう!」

「悟っただけじゃ、ここまでは届かねぇよ! 答えは、その一歩先にある! ……まあ、たとえ、答えを知ったとしても、『だからなんだ?』という『さらなる自問自答』が始まるだけなんだがな……」

「……」

 あまりにも抽象的な概念。
 けれど、不思議なことに、浸透してきた。
 カドヒトの言葉は、不自然なほど、
 バンプティの中にしみわたっていく。

(この男は『おそろしく奇妙な言葉』を使う……『理解させる気が全くない物言い』じゃというのに、触れていると、なぜだか『つかめそうな気』になってくる……)



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