『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

28話 べっとりとした混沌。

 28話 べっとりとした混沌。

「さて……そろそろ自己紹介しておこうか。俺はナイア・ゲン・フォース。ナイアさんでも、ゲンさんでも、フォースさんでも、まあ好きに呼んでくれや。もっとも、ナイアさん以外の名前で呼ばれたら、ちょいと不機嫌になるから、あまりオススメはしないがね」

 意識を向けられたことで、
 それまで、ずっと、ナイアの圧に委縮・硬直していたイグは、
 『キュっと締まってしまっているノド』を、
 どうにか、精神力だけで無理矢理にこじあけて、

「……な、な、何者だ……」

 イグは、先ほどまでの強者感を失っていた。
 プルプルと、チワワのように震えながら、

「ど、どういうことだ……なんだ……その膨大な……ま、まるで太陽のような……その次元が違う大きさは……」

 ハッキリと分かるわけではないが、
 しかし、イグほどの『優れた感受性』があると、
 対峙するだけでも『その大きさに震える』くらいはできるようになる。

「まあ、世の中には『俺みたいな異端も存在しましたよ』っていう、それだけの話さ。……いやぁ、しかし、そういう『正解の反応』をしてくれると助かるねぇ。楽でいいよ。罪帝ヒミコの時は、苦労させられた。イレギュラーの相手をするのはたまらんね。とはいえ、正解の反応ばっかりされても飽きるから……ま、その辺はバランスだよな」

 常時、何を言っているかイマイチわからない。
 そんな雰囲気を、一定以上保ち続けるナイア。

 そこにあるのは狂気と混沌。

 『命を超越した何か』を感じさせる揺らめき。
 まるで濃い霧のように、
 形を感じさせないのに、
 強固な存在感だけはヒシヒシと与えてくる。

「おしゃべりはこの辺にしておこうか。試験の終了時刻まで30分を切ったことだし……これ以上無駄に時間をかけて失格になったら目もあてられない。まあ、そうなったら、全宮ルルと交渉するだけなんだが……あの女は、あの女で、相当な変態だから、最終的には話がまとまらなくて、殺すことになってしまうだろう。そうなると、それはそれでルートがズレて最悪。だから、実のところ、是が非でも、ここで失格にはなりたくない」

 ナイアの発言を聞きながらイグは深い疑念に包まれていた。
 違和感と言ってもいい、妙な不可解。

(これほどの『次元が違う超常』が……試験の結果を気にしているという異常……)

 濃厚な混沌だった。
 まるで、這いよってくるかのような、ベットリとした混沌。

「とりあえず、イグ……お前は邪魔だ」

 そう言って、ナイアが指を鳴らすと、
 ビシュンっと、弾けるような音がして、
 イグの意識は、抵抗する間もなく、
 元のナイフに戻っていった。

 真っ赤に染まっていたナイフは、
 スゥと、綺麗に色が抜け落ちていき、元の白いナイフにもどっていく。

 そして、完全な白に戻ったところで、
 強制的に、ザコーの意識が前面へと駆り出される。

「かはっ……」

 唐突に意識を戻されて困惑するザコー。
 イグが表面に出ている間も、
 多少は意識が残っていたため、
 現状に対する理解は出来ている。

 だから、

「な……なんだ、お前……イグをしりぞけるなど……そんなこと、クツグア(完全院リライトのコスモゾーン・レリック)だって、できるわけ……」

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