『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

2話 いびつな家族関係。

 2話 いびつな家族関係。

「俺は、ロコ様と違って、才能はないし、金もないし、顔面偏差値もご覧の有様ですが……家族関係に関しては、かなりマシというか……いえ、だいぶ幸福だったなぁと思っただけです」

「……」

 そこで、ゲンは、ヤマトに視線を向けて、

「もう一度だけ確認しておくけど……ウチの父親、殺さないでいてくれたんだろ?」

「うん。目標以外を殺すのはポリシーに反するからねぇ」

「……そのポリシーに助けられたな」

「それは、君がぁ? それとも、もしかして、私がぁ?」

「もちろん、お前がだよ。もし、お前がソウルさんを殺していたら、お前は俺に殺されていた。今は無理でも、決死の努力を積んで、いつか必ず仇を討っていた。その覚悟を抱かざるをえないぐらい……俺は、あの人に感謝している。ソウルさんだけではなく、アリアさんにも感謝している。俺は……幸福な人生を送っていた」

 感慨深い感じでそうつぶやくゲンに、
 ヤマトは、

「なんだい、ゲンくん。まだ、親元を離れて一日も経っていないのに、もうホームシックにでもなった感じ?」

「は? ありえねぇよ。そもそも、俺は家を出る気まんまんだったんだ。毒組のバイトとしてキャリアを積むのも悪くないと思っていたが、いつまでも『親の管理下にあって自由に生きられない』という事を歯がゆくも思っていた。正直、こういうキッカケを与えてもらったことはラッキーだと思っている」

 ゲン・フォースは、すでに、『全宮ロコ』の配下として『全宮家』に認識されている。

 ちなみに、ソウル・フォースは、
 今でもロコ直属の部隊、特殊警察『毒組』の局長であり、
 毒組は、今日も、当たり前のように、辺境エリアを守る武装警察『毒組』としての仕事をしている。

 ちなみに、ソウルさんは、ヤマトの言動から、ロコを暗殺しようとしているのがアギトであると理解しており、かつ、アギトが送った刺客によって明確な被害を受けたワケだが、しかし、だからといって、アギトに文句を言いに行くコトなど、当然だが出来ない。

 ヤマトの言動以外なんの証拠もないし、仮に、確たる証拠があったとしても、
 独裁者である全宮家相手に文句など言えるわけがない。

 仮に『ヤマトによってゲンが殺された』などの状況になっていた場合、
 死を覚悟で全宮アギトやヤマトに対して特攻を仕掛けていた可能性はゼロじゃないが、
 現状、ソウルさんは、ロコからスマホで、
 『ゲンともども無事であり、今後は全宮学園で過ごす』という旨を伝えられているため、
 今は、おとなしく家に帰っている。


 ちなみに、ロコとアギトは、現状、完全な敵対関係にあるが、
 対外的に『正式な内乱が起こっている』という状態ではない。

 あくまでも、まだ、
 『水面下』でアギトがロコを殺したがっているという状況でしかない。

 テラも、ロコの事は『ウザったい』と思っているが、
 まだ、処分するか否か決めかねている段階にある。

 まだ、テラの中では、ロコの行動を、
 『本物の革命的思想』なのか『たんなる厨二的な暴走』なのか、
 判断しきれずにいる。

 ゆえに、ロコは、今もまだ、エリアB775‐989の統治者であり、
 その権力も義務も当たり前のように残っている。

 奇妙なバランスの上に成り立っている、
 いびつな家族関係。

「こうなった以上、俺は、ロコ様の配下として生きていくしかない。想定していたルートからは外れたが、こっちの道も決して悪くはない。ちょっとスリリングが過ぎる気もするが……まあ、なんとか、自立して、たくましく生きていくさ」

「すごい根性のすわりかただねぇ。とても五歳とは思えないよぉ」

「まあな。俺はハンパじゃねぇからな」


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