『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

109話 壊して整えたい。

 109話 壊して整えたい。

「あなたとザコーくんでは、方向性が違う気がしますねぇ。別に、あなたたち二人の思想を理解しているわけではないですが……なんとなく、そんな気がしまぁす」

 そこで、ヤマトは天を仰いで、

「……あなたの場合は、おそらくですが、『壊して整えたい』って感じですよね?」

「……っ」

 胸の奥にある感情を言い当てられて、
 ロコは、一瞬だけドキっとした。

 そんなロコの感情にも気づきつつ、
 その辺はスルーで、ヤマトは続けて、

「でも、ザコーくんの場合『どこまで壊せるか実験してみたい』って感じなのですよぉ」

 と、つらつら自分の見解を述べる。

「……ヤマト……あんた、それだけ壊れているのに、人を見る目はあるみたいね……」

 そこで、ロコは、決意したような顔になり、

「あたしも、ザコーとは二度ほど話をしたことがあるけれど、確かに、あの男からは……あんたが感じたのと同じ印象を抱いたわ」

 本音を並べていく。
 貴族的な腹の探りあいはやめて、
 真摯な態度で、
 ロコは、

「相容れないでしょうね……あんたたちと、あたしでは……見ている方向の芯が違いすぎる。もし、ここで、あんたがあたしの提案を受け入れていたとしても、あたしは、その瞬間から、あなたたちの解体方法を模索していたでしょう」

「あ、そうなんですかぁ? 話がまとまった場合は、普通に、武器の一つとして見てもらえると思っていましたよぉ」

「無理ね。あんたたちは気持ち悪いもの」

「おやおやぁ、本音が止まりませんねぇ」

「あんたたちは壊す……シロアリも壊す……ギルティブラッドも、五大家も全部ぶっ壊す……あんたらなんかいらない……あたしの理想を穢すゴミは……全部、死ね」

 そこで、ロコは全身の気血(きけつ)を充実させる。
 集中力を高め、オーラと魔力をふくらまし、活力をみなぎらせる。

「はぁああっっ!!」

 全身全霊、
 全力の全力で、
 ロコは、ヤマトに向かっていく。

 殺気を込めて、
 心の底から殺す気で、
 ヤマトの首を狙った。

 ――けれど、

「おっ……いいですねぇ。まだ一歩分『奥』があったんですねぇ」

 ヤマトは、余裕の態度を崩さない。
 サラっと回避して、

「がはぁ!!」

 ロコにカウンターをいれると、

「覚悟をぶちこんだ一撃。すごくよかったですよぉ」

 パチパチと拍手。
 嫌味ではない。
 本当に素晴らしいと思った。

「非常にキレが良かったですねぇ。『殺してやる』という鋭い気迫が伝わってきましたよぉ。あと5年……いや、3年ほど年月を積み重ねていれば、あるいは、私に致命傷をあたえることもできたやもしれない……そんな一撃でした。非常にすばらしい」

「はぁ……はぁ……」

 息を切らし、痛みに耐えながら、地に伏しているロコに、
 ヤマトは、

「どうですぅ? 『絶死のアリア・ギアス』とか積んで、再挑戦してみませぇん? もしかしたら、かなり接戦になるかもしれませんよぉ」

 その提案を聞いたロコは、
 ハンッと、鼻で笑い、

「死んだら……あんたに勝っても意味がない。あたしが、このクソったれな世界で必死に生きてきた理由・目的は、あんたに勝つことなんかじゃない……」



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