『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……
92話 ゴキはまずい。
92話 ゴキはまずい。
(ゴキを使うことまでいとわないほどの殺意……ソレを、ゲンはアギトに抱かせた……)
そこで、ロコは、ゲンをチラっと見る。
(あの慎重なアギトにゴキを使わせるほどの情動を抱かせた可能性……)
想像以上に、ゲンの未来には可能性があった。
(状況的に……『あたしのキャラクター的』に、引けなかったというのも、もちろんあるけれど、ダギーやアギトだけではなく、あたし自身……ゲン・フォースの可能性に酔ってしまった……)
あの賭けの場で、
実のところ、ロコは『下がるタイミング』をうかがっていた。
今か?
今か?
と、『いつ降りるか』を探っていた。
しかし、結局、ロコは、最後まで突っ走ってしまった。
なんてことはない。
自分でも理解しているとおり、ロコも、ゲンの可能性に酔ってしまった。
結果、すべての歯車が少しずつ狂った。
その結果が現状。
この現状は、決してロコが望んだ未来ではない。
いつか『全宮家とは全面戦争になる』と覚悟していたが、
『想定していた開戦の日』は決して今日ではない。
(今の戦力でヤマトには勝てない……逃げるしかない……となれば、次手は自明……)
次手を決断したロコ、
その目の前で、彼女の盾になっているソウルさんが、
「ゴキは、まずいな……」
ボソっとそうつぶやいた。
全宮家の中枢に近い場所にいて、
かつ、対凶悪犯罪者を生業としているソウルさんなので、
当然、ゴキについては知っている。
あまり表立っては言えないが、
全宮家が抱える『最強』の特殊部隊は、
実のところ反社会組織の『ゴキ』である。
ゴキは、間違いなく『性根の腐った犯罪者』の集団で、
所属しているメンバー数も常時10人前後と少ないが、
『ケタ違いの精鋭』がそろっており、
所属メンバーの大半が、ダギーを超えている。
そんなゴキのナンバースリーである超人――それが『ヤマト』。
「ロコ様……我々だけでは、ゴキの上位には勝てません。時間を稼ぎますので、お逃げください」
「……ええ……そうさせてもらうわ……」
ロコは、そこで、
ヤマトの目をキっと睨み、
「いうまでもないけれど『あたしが生き残った場合』も考えておいた方がいいわよ。どんな理由があれ、あたしは、あたしの所有物を壊した者を許さない」
「ご安心を。標的以外は殺さないのがポリシーなのでぇ。ポリシーというより、プライドですかねぇ……ん? ぁ、いえいえ、私はただの迷い人なので、殺すとか、殺さないとか、そんな物騒な話は専門外。あくまでも、私は、道を尋ねたいだけの悪男……それをお忘れなきよう」
「ええ、もちろん忘れないわ」
と、そこで、ソウルさんが、
「ゲン、お前も一緒に逃げろ。ゴキが相手だと、今のお前では役に立たない。というより、すさまじく邪魔だ! お前を人質や盾として使われたら厄介きわまる!」
その言葉を受けて、ゲンの頭の中で、いくつかの選択肢が出た。
その中の一つである『ここで残って戦う』という選択肢に対して、
(……普通に、邪魔にしかならない……このミッションで重要なのは、ロコを逃がすこと……それだけ)
(ゴキを使うことまでいとわないほどの殺意……ソレを、ゲンはアギトに抱かせた……)
そこで、ロコは、ゲンをチラっと見る。
(あの慎重なアギトにゴキを使わせるほどの情動を抱かせた可能性……)
想像以上に、ゲンの未来には可能性があった。
(状況的に……『あたしのキャラクター的』に、引けなかったというのも、もちろんあるけれど、ダギーやアギトだけではなく、あたし自身……ゲン・フォースの可能性に酔ってしまった……)
あの賭けの場で、
実のところ、ロコは『下がるタイミング』をうかがっていた。
今か?
今か?
と、『いつ降りるか』を探っていた。
しかし、結局、ロコは、最後まで突っ走ってしまった。
なんてことはない。
自分でも理解しているとおり、ロコも、ゲンの可能性に酔ってしまった。
結果、すべての歯車が少しずつ狂った。
その結果が現状。
この現状は、決してロコが望んだ未来ではない。
いつか『全宮家とは全面戦争になる』と覚悟していたが、
『想定していた開戦の日』は決して今日ではない。
(今の戦力でヤマトには勝てない……逃げるしかない……となれば、次手は自明……)
次手を決断したロコ、
その目の前で、彼女の盾になっているソウルさんが、
「ゴキは、まずいな……」
ボソっとそうつぶやいた。
全宮家の中枢に近い場所にいて、
かつ、対凶悪犯罪者を生業としているソウルさんなので、
当然、ゴキについては知っている。
あまり表立っては言えないが、
全宮家が抱える『最強』の特殊部隊は、
実のところ反社会組織の『ゴキ』である。
ゴキは、間違いなく『性根の腐った犯罪者』の集団で、
所属しているメンバー数も常時10人前後と少ないが、
『ケタ違いの精鋭』がそろっており、
所属メンバーの大半が、ダギーを超えている。
そんなゴキのナンバースリーである超人――それが『ヤマト』。
「ロコ様……我々だけでは、ゴキの上位には勝てません。時間を稼ぎますので、お逃げください」
「……ええ……そうさせてもらうわ……」
ロコは、そこで、
ヤマトの目をキっと睨み、
「いうまでもないけれど『あたしが生き残った場合』も考えておいた方がいいわよ。どんな理由があれ、あたしは、あたしの所有物を壊した者を許さない」
「ご安心を。標的以外は殺さないのがポリシーなのでぇ。ポリシーというより、プライドですかねぇ……ん? ぁ、いえいえ、私はただの迷い人なので、殺すとか、殺さないとか、そんな物騒な話は専門外。あくまでも、私は、道を尋ねたいだけの悪男……それをお忘れなきよう」
「ええ、もちろん忘れないわ」
と、そこで、ソウルさんが、
「ゲン、お前も一緒に逃げろ。ゴキが相手だと、今のお前では役に立たない。というより、すさまじく邪魔だ! お前を人質や盾として使われたら厄介きわまる!」
その言葉を受けて、ゲンの頭の中で、いくつかの選択肢が出た。
その中の一つである『ここで残って戦う』という選択肢に対して、
(……普通に、邪魔にしかならない……このミッションで重要なのは、ロコを逃がすこと……それだけ)
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